一様・等方な時空の方程式とその真空解(2)

第2章 フリードマン方程式

この記事の目的は、一様・等方な時空に対する重力場の方程式を求めることだった。第1章では一様・等方な時空の計量の一般的な形を求めた。それを重力場の方程式(アインシュタイン方程式)に代入したらどうなるかやってみよう。

重力場の方程式

重力場の方程式はいつものように混合テンソルによる方程式 𝐺𝜇𝜈 +𝛬𝛿𝜇𝜈 = 8𝜋𝐺𝑐4 𝑇𝜇𝜈 (27) を解くことにする。 𝐺𝜇𝜈 はアインシュタインテンソル、 𝑇𝜇𝜈 はエネルギー運動量テンソル、 𝛿𝜇𝜈 はクロネッカーのデルタ、 𝛬 は宇宙定数、 𝐺 は万有引力定数、 𝑐 は光速である。

クリストッフェル記号

クリストッフェル記号はすでに第1章の最後の方で(25)式 𝛤011= 𝑎𝑎˙1𝑘𝑟2 𝛤022= 𝑎𝑎˙𝑟2 𝛤033= 𝑎𝑎˙𝑟2sin2𝜃 𝛤111= 𝑘𝑟1𝑘𝑟2 𝛤122= (1𝑘𝑟2)𝑟 𝛤133= (1𝑘𝑟2)𝑟sin2𝜃 𝛤233= sin𝜃cos𝜃 𝛤101= 𝛤110= 𝛤202= 𝛤220= 𝛤303= 𝛤330= 𝑎˙𝑎 𝛤212= 𝛤221= 𝛤313= 𝛤331= 1𝑟 𝛤323= 𝛤332= cot𝜃 10個まとめて(25)式 で求めてあるので、これを使えばよい。

この後でリッチテンソルを求める際にクリストッフェル記号の微分が必要になるので計算しておく。ただし ∂𝛤𝜆𝜇𝜈∂𝑥𝜌 のすべての成分がいるわけではなく、 𝜆 = 𝜌 または 𝜆 = 𝜈 である成分が求まれば十分であるから、それらだけを計算する。(25)式をただ微分するだけなので、結果だけを書くと、0でない成分は以下である。 ∂𝛤011∂𝑥0 = 𝑎𝑎¨+𝑎˙2 1𝑘𝑟2 ∂𝛤022∂𝑥0 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2 ∂𝛤033∂𝑥0 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2sin2𝜃 ∂𝛤101∂𝑥0 = ∂𝛤202∂𝑥0 = ∂𝛤303∂𝑥0 = 𝑎¨𝑎 𝑎˙2𝑎2 ∂𝛤111∂𝑥1 = 𝑘(1+𝑘𝑟2) (1𝑘𝑟2)2 ∂𝛤122∂𝑥1 = 1+3𝑘𝑟2 ∂𝛤133∂𝑥1 = (1+3𝑘𝑟2)sin2𝜃 ∂𝛤212∂𝑥1 = ∂𝛤313∂𝑥1 = 1𝑟2 ∂𝛤233∂𝑥2 = cos2𝜃+sin2𝜃 ∂𝛤323∂𝑥2 = 1sin2𝜃 …10個まとめて(28) 実は ∂𝛤111∂𝑥1 はこの後で使わないので計算する必要はなかったのだがついでに書いておいた。

リッチテンソル 𝑅𝜇𝜈

リーマンテンソル 𝑅𝜌𝜇𝜆𝜈 およびリッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 の定義は 𝑅𝜌𝜇𝜆𝜈= ∂𝛤𝜌𝜇𝜈∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜌𝜇𝜆∂𝑥𝜈 + 𝛤𝜎𝜇𝜈 𝛤𝜌𝜎𝜆 𝛤𝜎𝜇𝜆 𝛤𝜌𝜎𝜈 (29) 𝑅𝜇𝜈= 𝑅𝜆𝜇𝜆𝜈 (30) である(ただし符号を逆に定義する流儀もある)。そこで(29)式(30)式に代入すれば 𝑅𝜇𝜈= ∂𝛤𝜆𝜇𝜈∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆𝜇𝜆∂𝑥𝜈 + 𝛤𝜎𝜇𝜈 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎𝜇𝜆 𝛤𝜆𝜎𝜈 (31) のようになる。

ではリッチテンソルの各成分の表式を求めよう。(31)式を使って、(25)(28)式と見比べながら0でない成分を代入していくだけである。この下の式変形では、添え字に具体的な数字(0〜3)を代入する段階で、項の値が0でないものだけを残すようにしている。クリストッフェル記号の縮約 𝛤𝜆𝜇𝜆 を求める公式を知っている人は使いたくなるかもしれないが、今あれを使うとかえって繁雑になってめんどくさいのでやめた方がよいと思う。

まず対角成分は、 𝑅00 = ∂𝛤𝜆00∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆0𝜆∂𝑥0 + 𝛤𝜎00 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎0𝜆 𝛤𝜆𝜎0 = 0 ( ∂𝛤101∂𝑥0 + ∂𝛤202∂𝑥0 + ∂𝛤303∂𝑥0 ) +0 ( 𝛤101 𝛤110 + 𝛤202 𝛤220 + 𝛤303 𝛤330 ) = 3 ( 𝑎¨𝑎 𝑎˙2𝑎2 ) 3(𝑎˙𝑎)2 = 3𝑎¨𝑎 +3𝑎˙2𝑎2 3𝑎˙2𝑎2 =3𝑎¨𝑎(32) 𝑅11 = ∂𝛤𝜆11∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆1𝜆∂𝑥1 + 𝛤𝜎11 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎1𝜆 𝛤𝜆𝜎1 = ( ∂𝛤011∂𝑥0 + ∂𝛤111∂𝑥1 ) ( ∂𝛤111∂𝑥1 + ∂𝛤212∂𝑥1 + ∂𝛤313∂𝑥1 ) + { 𝛤011 ( 𝛤101+ 𝛤202+ 𝛤303 ) + 𝛤111 ( 𝛤111+ 𝛤212+ 𝛤313 ) } ( 𝛤011 𝛤101 + 𝛤110 𝛤011 + 𝛤111 𝛤111 + 𝛤212 𝛤221 + 𝛤313 𝛤331 ) = ∂𝛤011∂𝑥0 ∂𝛤212∂𝑥1 ∂𝛤313∂𝑥1 + 𝛤011 ( 𝛤202+ 𝛤303 𝛤110 ) + 𝛤111 ( 𝛤212+ 𝛤313 ) (𝛤212)2 (𝛤313)2 = 𝑎𝑎¨+𝑎˙2 1𝑘𝑟2 (1𝑟2) (1𝑟2) + 𝑎𝑎˙1𝑘𝑟2 ( 𝑎˙𝑎+ 𝑎˙𝑎 𝑎˙𝑎 ) + 𝑘𝑟1𝑘𝑟2 (1𝑟+1𝑟) (1𝑟)2 (1𝑟)2 = 𝑎𝑎¨+𝑎˙2 1𝑘𝑟2 +1𝑟2 +1𝑟2 + 𝑎𝑎˙1𝑘𝑟2 𝑎˙𝑎 + 𝑘𝑟1𝑘𝑟22𝑟 1𝑟2 1𝑟2 = 𝑎𝑎¨+𝑎˙2 1𝑘𝑟2 +𝑎˙21𝑘𝑟2 +2𝑘1𝑘𝑟2 = 𝑎𝑎¨+2𝑎˙2+2𝑘 1𝑘𝑟2 (33) 𝑅22 = ∂𝛤𝜆22∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆2𝜆∂𝑥2 + 𝛤𝜎22 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎2𝜆 𝛤𝜆𝜎2 = ( ∂𝛤022∂𝑥0 + ∂𝛤122∂𝑥1 ) ∂𝛤323∂𝑥2 + { 𝛤022 ( 𝛤101+ 𝛤202+ 𝛤303 ) + 𝛤122 ( 𝛤111+ 𝛤212+ 𝛤313 ) } ( 𝛤022 𝛤202 + 𝛤122 𝛤212 + 𝛤220 𝛤022 + 𝛤221 𝛤122 + 𝛤323 𝛤332 ) = ∂𝛤022∂𝑥0 + ∂𝛤122∂𝑥1 ∂𝛤323∂𝑥2 + 𝛤022 ( 𝛤101+ 𝛤303 𝛤220 ) + 𝛤122 ( 𝛤111+ 𝛤313 𝛤221 ) (𝛤323)2 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2 +(1+3𝑘𝑟2) (1sin2𝜃) + 𝑎𝑎˙𝑟2 ( 𝑎˙𝑎+ 𝑎˙𝑎 𝑎˙𝑎 ) + {(1𝑘𝑟2)𝑟} ( 𝑘𝑟1𝑘𝑟2 +1𝑟 1𝑟 ) cot2𝜃 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2 1 +3𝑘𝑟2 +1sin2𝜃 + 𝑎𝑎˙𝑟2𝑎˙𝑎 (1𝑘𝑟2)𝑟 𝑘𝑟1𝑘𝑟2 cos2𝜃sin2𝜃 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2 +3𝑘𝑟2 +𝑎˙2𝑟2 𝑘𝑟2 = ( 𝑎𝑎¨+2𝑎˙2+2𝑘 ) 𝑟2 (34) 𝑅33 = ∂𝛤𝜆33∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆3𝜆∂𝑥3 + 𝛤𝜎33 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎3𝜆 𝛤𝜆𝜎3 = ( ∂𝛤033∂𝑥0 + ∂𝛤133∂𝑥1 + ∂𝛤233∂𝑥2 ) 0 + { 𝛤033 ( 𝛤101 + 𝛤202 + 𝛤303 ) + 𝛤133 ( 𝛤111 + 𝛤212 + 𝛤313 ) + 𝛤233 𝛤323 } ( 𝛤033 𝛤303 + 𝛤133 𝛤313 + 𝛤233 𝛤323 + 𝛤330 𝛤033 + 𝛤331 𝛤133 + 𝛤332 𝛤233 ) = ∂𝛤033∂𝑥0 + ∂𝛤133∂𝑥1 + ∂𝛤233∂𝑥2 + 𝛤033 ( 𝛤101+ 𝛤202 𝛤330 ) + 𝛤133 ( 𝛤111+ 𝛤212 𝛤331 ) 𝛤332 𝛤233 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2sin2𝜃 + (1+3𝑘𝑟2)sin2𝜃 +(cos2𝜃+sin2𝜃) + 𝑎𝑎˙𝑟2sin2𝜃 ( 𝑎˙𝑎+ 𝑎˙𝑎 𝑎˙𝑎 ) + {(1𝑘𝑟2)𝑟sin2𝜃} ( 𝑘𝑟1𝑘𝑟2 +1𝑟 1𝑟 ) cot𝜃(sin𝜃cos𝜃) = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2sin2𝜃 sin2𝜃 +3𝑘𝑟2sin2𝜃 cos2𝜃 +sin2𝜃 + 𝑎𝑎˙𝑟2sin2𝜃 𝑎˙𝑎 (1𝑘𝑟2)𝑟sin2𝜃 𝑘𝑟1𝑘𝑟2 +cos2𝜃 = (𝑎𝑎¨+𝑎˙2) 𝑟2sin2𝜃 +3𝑘𝑟2sin2𝜃 +𝑎˙2𝑟2sin2𝜃 𝑘𝑟2sin2𝜃 = ( 𝑎𝑎¨+2𝑎˙2+2𝑘 ) 𝑟2sin2𝜃 (35) のようになる。続いて非対角成分は、 𝑅01=𝑅10 = ∂𝛤𝜆01∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆0𝜆∂𝑥1 + 𝛤𝜎01 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎0𝜆 𝛤𝜆𝜎1 = 00+ 𝛤101 ( 𝛤111+ 𝛤212+ 𝛤313 ) ( 𝛤101 𝛤111 + 𝛤202 𝛤221 + 𝛤303 𝛤331 ) = 𝛤101 𝛤212 + 𝛤101 𝛤313 𝛤202 𝛤221 𝛤303 𝛤331 = 𝑎˙𝑎1𝑟+ 𝑎˙𝑎1𝑟 𝑎˙𝑎1𝑟 𝑎˙𝑎1𝑟 =0(36) 𝑅02=𝑅20 = ∂𝛤𝜆02∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆0𝜆∂𝑥2 + 𝛤𝜎02 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎0𝜆 𝛤𝜆𝜎2 = 00+ 𝛤202 𝛤323 𝛤303 𝛤332 = 𝑎˙𝑎cot𝜃 𝑎˙𝑎cot𝜃 =0(37) 𝑅03=𝑅30 = ∂𝛤𝜆03∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆0𝜆∂𝑥3 + 𝛤𝜎03 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎0𝜆 𝛤𝜆𝜎3 =00+00 =0(38) 𝑅12=𝑅21 = ∂𝛤𝜆12∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆1𝜆∂𝑥2 + 𝛤𝜎12 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎1𝜆 𝛤𝜆𝜎2 = 0 0 + 𝛤212 𝛤323 𝛤313 𝛤332 =1𝑟cot𝜃1𝑟cot𝜃 =0(39) 𝑅13=𝑅31 = ∂𝛤𝜆13∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆1𝜆∂𝑥3 + 𝛤𝜎13 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎1𝜆 𝛤𝜆𝜎3 =00+00 =0(40) 𝑅23=𝑅32 = ∂𝛤𝜆23∂𝑥𝜆 ∂𝛤𝜆2𝜆∂𝑥3 + 𝛤𝜎23 𝛤𝜆𝜎𝜆 𝛤𝜎2𝜆 𝛤𝜆𝜎3 =00+00 =0(41) のようにすべて0である。

以上でリッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 の表式が求まった。

リッチテンソル 𝑅𝜇𝜈

次に、1個目の添え字を上にあげた 𝑅𝜇𝜈 = 𝑔𝜇𝜌𝑅𝜌𝜈 を計算する。(13)式(32)(41)式を代入すればよい。

まず対角成分は次のようになる。 𝑅00 = 𝑔0𝜌𝑅𝜌0 =𝑔00𝑅00 = (1)(3𝑎¨𝑎) = 3𝑎¨𝑎 (42) 𝑅11 = 𝑔1𝜌𝑅𝜌1 =𝑔11𝑅11 = 1𝑘𝑟2𝑎2 𝑎𝑎¨+2𝑎˙2+2𝑘 1𝑘𝑟2 = 𝑎¨𝑎 +2𝑎˙2𝑎2 +2𝑘𝑎2 (43) 𝑅22 = 𝑔2𝜌𝑅𝜌2 =𝑔22𝑅22 = 1𝑎2𝑟2 ( 𝑎𝑎¨+2𝑎˙2+2𝑘 ) 𝑟2 = 𝑎¨𝑎 +2𝑎˙2𝑎2 +2𝑘𝑎2 = 𝑅11 (44) 𝑅33 = 𝑔3𝜌𝑅𝜌3 =𝑔33𝑅33 = 1𝑎2𝑟2sin2𝜃 ( 𝑎𝑎¨+2𝑎˙2+2𝑘 ) 𝑟2sin2𝜃 = 𝑎¨𝑎 +2𝑎˙2𝑎2 +2𝑘𝑎2 = 𝑅11 (45) (44)・(45)式は、 𝑅² や 𝑅³ を計算した結果を 𝑅¹ と見比べてみたら 𝑅¹ に等しいことがわかった、という意味である。

続いて非対角成分であるが、計量テンソル 𝑔𝜇𝜈 もリッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 も非対角成分はすべて0なので、 𝑅𝜇𝜈 = 𝑔𝜇𝜌𝑅𝜌𝜈 も非対角成分はすべて0である。

以上でリッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 の表式が求まった。

スカラー曲率

スカラー曲率(リッチスカラー) 𝑅 の定義は 𝑅 = 𝑔𝜇𝜈𝑅𝜇𝜈 =𝑅𝜈𝜈 であるから、(42)〜(45)式を代入して計算すると次のようになる。 𝑅 = 𝑅𝜈𝜈 = 𝑅00+ 𝑅11+ 𝑅22+ 𝑅33 = 𝑅00+ 𝑅11+ 𝑅11+ 𝑅11 = 𝑅00+ 3𝑅11 = 3𝑎¨𝑎+ 3 ( 𝑎¨𝑎 +2𝑎˙2𝑎2 +2𝑘𝑎2 ) = 3𝑎¨𝑎 +3𝑎¨𝑎 +6𝑎˙2𝑎2 +6𝑘𝑎2 = 6𝑎¨𝑎 +6𝑎˙2𝑎2 +6𝑘𝑎2 (46)

アインシュタインテンソル

アインシュタインテンソル 𝐺𝜇𝜈 の定義は 𝐺𝜇𝜈= 𝑅𝜇𝜈 12𝛿𝜇𝜈𝑅 である。では(42)(46)式を代入して各成分の表式を求めよう。

まず対角成分は次のようになる。 𝐺00 = 𝑅00 12𝛿00𝑅 = 3𝑎¨𝑎 12 ( 6𝑎¨𝑎 +6𝑎˙2𝑎2 +6𝑘𝑎2 ) = 3𝑎¨𝑎 3𝑎¨𝑎 3𝑎˙2𝑎2 3𝑘𝑎2 = 3𝑎˙2𝑎2 3𝑘𝑎2 𝐺11 = 𝑅11 12𝛿11𝑅 = ( 𝑎¨𝑎 +2𝑎˙2𝑎2 +2𝑘𝑎2 ) 12 ( 6𝑎¨𝑎 +6𝑎˙2𝑎2 +6𝑘𝑎2 ) = 𝑎¨𝑎 +2𝑎˙2𝑎2 +2𝑘𝑎2 3𝑎¨𝑎 3𝑎˙2𝑎2 3𝑘𝑎2 = 2𝑎¨𝑎 𝑎˙2𝑎2 𝑘𝑎2 𝐺22 = 𝑅22 12𝛿22𝑅 = 𝑅11 12𝛿11𝑅 =𝐺11 𝐺33 = 𝑅33 12𝛿33𝑅 = 𝑅11 12𝛿11𝑅 =𝐺11

続いて非対角成分であるが、リッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 もクロネッカーのデルタ 𝛿𝜇𝜈 も非対角成分はすべて0なので、アインシュタインテンソル 𝐺𝜇𝜈 も非対角成分はすべて0である。

方程式の完成

ここまででアインシュタインテンソル 𝐺𝜇𝜈 の各成分の表式が求まったので、それらを(27)式に代入すれば、 第(0, 0)成分: 3𝑎˙2𝑎2 3𝑘𝑎2 +𝛬 = 8𝜋𝐺𝑐4 𝑇00 (47) 第(1, 1), (2, 2), (3, 3)成分: 2𝑎¨𝑎 𝑎˙2𝑎2 𝑘𝑎2 +𝛬 = 8𝜋𝐺𝑐4 𝑇𝜇𝜈 (𝜇=𝜈=1,2,3) (48) 非対角成分: 0 = 8𝜋𝐺𝑐4 𝑇𝜇𝜈 (𝜇𝜈) (49) のようになる。これらが一様・等方な時空が満たすべき重力場の方程式である。

右辺についてはまだ何の条件も考えていなかったが、(47)〜(49)式からエネルギー運動量テンソル 𝑇𝜇𝜈 に条件が課されることがわかる。その条件とは非対角成分が0であることと、 𝑇11= 𝑇22= 𝑇33 である。それと左辺は時間座標 𝑤 の関数であるから、右辺の 𝑇𝜇𝜈 も 𝑤 の関数である。したがって (𝑇𝜇𝜈)= ( 𝑈(𝑤)000 0𝑉(𝑤)00 00𝑉(𝑤)0 000𝑉(𝑤) ) (50) のような形になっているべきである。 𝑈(𝑤) および 𝑉(𝑤) は今のところ未定の 𝑤 の関数である。

ところで話は変わるが、一般に完全流体のエネルギー運動量テンソルは 𝑇𝜇𝜈= (𝜌+𝑝𝑐2) 𝑢𝜇𝑢𝜈 +𝑝𝑔𝜇𝜈 (51) と表されるのだった(ただしどれかの項の符号が逆になる流儀もある)。ここで 𝑢𝜇 は流体要素の4元速度、 𝜌 は質量密度、 𝑝 は圧力である。 𝜌 と 𝑝 は流体要素が瞬間的に静止する局所慣性系で測った値であるからスカラーである。(51)式の片方の添え字をおろして混合テンソルにすれば 𝑇𝜇𝜈= (𝜌+𝑝𝑐2) 𝑢𝜇𝑢𝜈 +𝑝𝛿𝜇𝜈 (52) のようになる。もし今考えている座標系で流体要素が静止していれば、 𝑢¹ = 𝑢² = 𝑢³ = 𝑢 = 𝑢 = 𝑢 = 0, 𝑢 = 𝑐, 𝑢 = −𝑐 であるからこれを(52)式に代入すると、 (𝑇𝜇𝜈)= ( 𝑐2𝜌000 0𝑝00 00𝑝0 000𝑝 ) (53) となる。ここで、 𝜌 と 𝑝 が 𝑤 のみの関数になっていることにすれば(53)式(50)式の条件に合致している。空間は一様・等方だから 𝜌 と 𝑝 が空間座標に依存しないことは理にかなっている。よって、静止している完全流体のエネルギー運動量テンソルである(53)式を、(47)〜(49)式の 𝑇𝜇𝜈 として採用することにする。そういえば第1章の最後で、この座標系で静止している粒子の世界線は測地線であることを確認したのだった。そのことも流体要素が静止し続けることと整合している。「静止している完全流体」以外で(50)式の形になることはあり得ないのかどうか知らないが、そういう話が載っている本を見たことがないので、たぶん気にしなくてよいのだろう。

そういうわけで(53)式(47)〜(49)式に代入すると、 第(0, 0)成分: 3𝑎˙2𝑎2 3𝑘𝑎2 +𝛬 = 8𝜋𝐺𝑐2𝜌 (54) 第(1, 1), (2, 2), (3, 3)成分: 2𝑎¨𝑎 𝑎˙2𝑎2 𝑘𝑎2 +𝛬 = 8𝜋𝐺𝑐4𝑝 (55) となり、非対角成分は 0 = 0 となって消える。 𝑎 と 𝜌 と 𝑝 は 𝑤 の関数であり、その他の文字は定数である。

このようにして得られた上記の方程式を「フリードマン方程式」と呼ぶ。細かいことを言うと、(54)・(55)式の2個1組の方程式をフリードマン方程式と呼んでいる人と、2個の式のうち(54)式だけをフリードマン方程式と呼んでいる人がいて、見解は統一されていないようだ。英語では単数形“Friedmann equation”なのか複数形“Friedmann equations”なのかもよくわからない。それと、(54)・(55)式の組み合わせでなく、どちらかの式の代わりに「(54)式×⅓−(55)式」みたいにして一階微分𝑎˙を消した式を使っている人もいる。いろいろな流儀があってややこしいが、いずれにしても独立な式は2個である。

(54)・(55)式を他の文献と比べると一部の項だけ 𝑐 の次数が異なっている場合があるが、それは時間微分˙が dd𝑤 (=1𝑐dd𝑡) であるか dd𝑡 であるかに起因する違いである。

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