一様・等方な時空の方程式とその真空解(4)

付録 FLRW計量のリーマンテンソル

アインシュタイン方程式にフリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量(FLRW計量)を代入してフリードマン方程式を導くにあたって、リーマンテンソルの表式を求める必要はなかったので、第2章ではその計算をしなかった。だが、ついでだからリーマンテンソルもここに載せておく。なお第3章では真空の場合の解を求めたが、今はそれは関係ない。このページで書いているのは真空に限らず一般のFLRW計量のリーマンテンソルである。リーマンテンソルの各成分を具体的に計算するときの一般論は別の記事「シュバルツシルト解のリーマン曲率テンソル」で少し触れた。やり方は同じであるから、途中の式変形は省略する。

FLRW計量の線素の式は d𝑠2= d𝑤2 +{𝑎(𝑤)}2 ( 11𝑘𝑟2d𝑟2 +𝑟2d𝜃2 +𝑟2sin2𝜃d𝜑2 ) (11)式 であった。クリストッフェル記号も(25)式で求めてあるから、それらをリーマンテンソルの公式に代入すればよい。

リーマンテンソル 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 の0でない成分を表2に示す。20個の独立成分で表2に載っていないもののうち、 𝑅₀₂₁₂ および 𝑅₀₃₁₃ , 𝑅₀₃₂₃ , 𝑅₁₃₂₃ の各成分は、公式にしたがって計算すると途中で0でない項が出てくるが打ち消し合って最終的には0になる。それら以外の独立成分は公式に含まれるすべての項が0になる。

表2. フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量のリーマンテンソル 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 の0でない成分
𝑅0101 =𝑅0110 = 𝑅1010 =𝑅1001 = 𝑎𝑎¨1𝑘𝑟2 𝑅0202 =𝑅0220 = 𝑅2020 =𝑅2002 =𝑎𝑎¨𝑟2 𝑅0303 =𝑅0330 = 𝑅3030 =𝑅3003 =𝑎𝑎¨𝑟2sin2𝜃
𝑅1212 =𝑅1221 = 𝑅2121 =𝑅2112 = 𝑎2(𝑎˙2+𝑘)𝑟2 1𝑘𝑟2 𝑅1313 =𝑅1331 = 𝑅3131 =𝑅3113 = 𝑎2(𝑎˙2+𝑘)𝑟2 1𝑘𝑟2 sin2𝜃
𝑅2323 =𝑅2332 = 𝑅3232 =𝑅3223 = 𝑎2(𝑎˙2+𝑘)𝑟4 sin2𝜃

リーマンテンソル 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 の0でない成分を表3に示す。表3に載っていない成分のうち 𝑅₂₁₂ , 𝑅¹₂₀₂ , 𝑅²₀₂₁ , 𝑅²₁₂₀ および 𝑅₃₁₃ , 𝑅¹₃₀₃ , 𝑅³₀₃₁ , 𝑅³₁₃₀ , 𝑅₃₂₃ , 𝑅²₃₀₃ , 𝑅³₀₃₂ , 𝑅³₂₃₀ , 𝑅¹₃₂₃ , 𝑅²₃₁₃ , 𝑅³₁₃₂ , 𝑅³₂₃₁ の各成分ならびにこれらの第3添え字と第4添え字を入れ替えた成分は、公式にしたがって計算すると途中で0でない項が出てくるが打ち消し合って最終的には0になる。それら以外の成分は公式に含まれるすべての項が0になる。

表3. フリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー計量のリーマンテンソル 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 の0でない成分
𝑅0101= 𝑅0110= 𝑎𝑎¨1𝑘𝑟2 𝑅0202= 𝑅0220= 𝑎𝑎¨𝑟2 𝑅0303= 𝑅0330= 𝑎𝑎¨𝑟2sin2𝜃
𝑅1010= 𝑅1001= 𝑎¨𝑎 𝑅1212= 𝑅1221= (𝑎˙2+𝑘)𝑟2 𝑅1313= 𝑅1331= (𝑎˙2+𝑘)𝑟2 sin2𝜃
𝑅2020= 𝑅2002= 𝑎¨𝑎 𝑅2121= 𝑅2112= 𝑎˙2+𝑘1𝑘𝑟2 𝑅2323= 𝑅2332= (𝑎˙2+𝑘)𝑟2 sin2𝜃
𝑅3030= 𝑅3003= 𝑎¨𝑎 𝑅3131= 𝑅3113= 𝑎˙2+𝑘1𝑘𝑟2 𝑅3232= 𝑅3223= (𝑎˙2+𝑘)𝑟2

表3を列ごとに縦に合計するとリッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 の対角成分になり、(32)〜(35)式と一致することがわかる。

リーマンテンソル 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 はもっと単純で、その0でない成分は 𝑅0101= 𝑅0110= 𝑅1010= 𝑅1001= 𝑅0202= 𝑅0220= 𝑅2020= 𝑅2002= 𝑅0303= 𝑅0330= 𝑅3030= 𝑅3003 = 𝑎¨𝑎 𝑅1212= 𝑅1221= 𝑅2121= 𝑅2112= 𝑅1313= 𝑅1331= 𝑅3131= 𝑅3113= 𝑅2323= 𝑅2332= 𝑅3232= 𝑅3223 = 𝑎˙2+𝑘𝑎2 である。

リーマンテンソルの2乗とその平方根は 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 = 12 { (𝑎𝑎¨)2+ (𝑎˙2+𝑘)2 } 𝑎4 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 = 2 3 { (𝑎𝑎¨)2+ (𝑎˙2+𝑘)2 } 𝑎2 である。

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