シュバルツシルト解(内部解)の導出(2)

1.3 方程式を解く

1.2節の最後でできあがった(11)〜(13)式を解く。方程式をもう一度書いておくと、 第(0, 0)成分: 𝐵𝐵2𝑟 +1𝐵𝑟2 1𝑟2 =𝜅𝑐2𝜌𝑐 (11) 第(1, 1)成分: 𝐴𝐴𝐵𝑟 +1𝐵𝑟2 1𝑟2 =𝜅𝑝 (12) 第(2, 2), (3, 3)成分: 𝐴2𝐴𝐵 𝐴𝐵4𝐴𝐵2 +𝐴2𝐴𝐵𝑟 𝐴24𝐴2𝐵 𝐵2𝐵2𝑟 =𝜅𝑝 (13) である。文字がいろいろあってややこしいが、 𝜅 と 𝑐 と 𝜌𝑐 は定数、 𝑟 は座標、 𝐴 と 𝐵 と 𝑝 は未知関数(𝑟 の関数)である。外部解のときは未知関数は計量だけだったが、内部解では圧力も未知関数になるのだ。では上から順番に見ていこう。

第(0, 0)成分

(11)式には 𝐴 や 𝑝 が含まれておらず 𝐵 だけの式なので簡単である。 𝐵𝐵2𝑟 +1𝐵𝑟2 1𝑟2 = 𝜅𝑐2𝜌𝑐 (11)式 𝐵𝑟𝐵21𝐵+1 = 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝐵𝑟𝐵21𝐵 = 1+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 dd𝑟(𝑟𝐵) = 1+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝑟𝐵 = 𝑟 +13𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟3 +𝑟𝑎 𝑟𝑎は積分定数) 1𝐵 = 1 13𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝑟𝑎𝑟 𝐵 = 1 1 13𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝑟𝑎𝑟 (14) = 𝑟 𝑟 13𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟3 𝑟𝑎 (15) となる。左辺の式変形は外部解のときとまったく同じであり、右辺だけが異なる。

ここで積分定数 𝑟𝑎 は実は0である。それは次のようにしてわかる。まず 𝑟 → 0 のときに 𝐵 がどうなるかを考えると、仮に 𝑟𝑎 = 0 ならば(14)式より lim𝑟+0𝐵=1 であり、 𝑟𝑎 ≠ 0 ならば(15)式より lim𝑟+0𝐵=0 である。ここで 𝑤 = 一定 , 𝑟 = 𝜀 , 𝜃=𝜋2 の円を考えると、(5)式よりこの円の1周の長さは 2𝜋𝜀 になる。時空のどの世界点の近傍にも局所慣性系が存在するから、 𝜀 が十分小さいときは、この円は 𝑟 = 0 の近傍の局所慣性系(平坦な時空)で考えてよいので半径は円周の 12𝜋 倍すなわち 𝜀 になる。それは lim𝑟+0𝑔11= lim𝑟+0𝐵=1 になっているということだから、 𝑟𝑎 = 0 であることがわかる。したがってそれを(14)式に代入すると、 𝐵= 1 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (16) となって 𝐵 が決まる。

ところで外部解ではこの段階で出てくる積分定数は「シュバルツシルト半径」として最後まで残るのだった。ではなぜ内部解のときだけ0になるのかというと、 𝑟 = 0 で変なことが起きないようにする条件を課したからである。外部解を導出したときは天体の外部だけで成り立てばよいと考えていたので 𝑟 = 0 の近傍のことはどうでもよかったのだ(ブラックホールの場合は外部解の範囲が 𝑟 → 0 まで及んでしまって特異点になるのであるが)。

第(1, 1)成分

(12)式より、 𝐴𝐴𝐵𝑟 +1𝐵𝑟2 1𝑟2 = 𝜅𝑝 (12)式 𝐴𝐴+1𝑟𝐵𝑟 = 𝜅𝑝𝐵𝑟 𝐴𝐴 = 𝐵(𝜅𝑝𝑟+1𝑟)1𝑟 = 𝜅𝑝𝑟+1𝑟 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 1𝑟 (16)式を代入した。 = 𝜅𝑝𝑟+ 1𝑟 1𝑟 ( 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 𝜅𝑝𝑟+13𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 𝜅(3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (17) となる。現段階ではこれ以上は計算できないので、とりあえずこのままにして次の式に進む。

第(2, 2), (3, 3)成分

(17)式(16)式を使って(13)式から 𝐴 と 𝐵 を消去し、 𝑝 だけの式にすることを考える。そのために必要となる 𝐴 や 𝐵 に関する微分などを先に求めておこう。 𝐴 については(17)式を微分すると、 dd𝑟𝐴𝐴 = dd𝑟 𝜅(3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝐴𝐴 𝐴𝐴2𝐴 = 𝜅 { 3(𝑝𝑟+𝑝) +𝑐2𝜌𝑐 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 (3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2) 2 (3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) } 𝐴𝐴 𝐴2𝐴2 = 𝜅3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 { 3𝑝𝑟 +3𝑝 +𝑐2𝜌𝑐 + 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) } = 𝜅3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 { 3𝑝𝑟+ (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) } (18) のようになる。 𝐵 については(16)式より 1𝐵 = 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (19) = 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟23 (20) であり、(19)式を微分すると、 dd𝑟1𝐵 = dd𝑟 ( 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 𝐵𝐵2 = 23𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 (21) のようになる。

さて、(13)式 (13)式の左辺 = 𝐴2𝐴𝐵 𝐴𝐵4𝐴𝐵2 +𝐴2𝐴𝐵𝑟 𝐴24𝐴2𝐵 𝐵2𝐵2𝑟 = 𝐴2𝐴𝐵 𝐴24𝐴2𝐵 𝐴𝐵4𝐴𝐵2 +𝐴2𝐴𝐵𝑟 𝐵2𝐵2𝑟 ←項の順番を変えただけ。 = 𝐴2𝐴𝐵 𝐴22𝐴2𝐵 +𝐴24𝐴2𝐵 𝐴𝐵4𝐴𝐵2 +𝐴2𝐴𝐵𝑟 𝐵2𝐵2𝑟 = 121𝐵 ( 𝐴𝐴 𝐴2𝐴2 ) + 141𝐵 (𝐴𝐴)2 + 14(𝐵𝐵2) 𝐴𝐴 + 12𝑟 ( 1𝐵𝐴𝐴 𝐵𝐵2 ) (22) のように変形できる。(22)式(17)(18)(20)(21)式を代入すればよいのであるが、一気にやると式がとても長くなって大変であるから、4つの項ごとに別々に計算する。その際、 𝑝 の次数に応じて項を整理しておくとよい。 (22)式の右辺の第1項 = 121𝐵 ( 𝐴𝐴 𝐴2𝐴2 ) = 12 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟23 [ 𝜅3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 { 3𝑝𝑟+ (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) } ] (20)(18)式を代入した。 = 𝜅6 { 3𝑝𝑟 + 3𝑝 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝑐2𝜌𝑐 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) } (22)式の右辺の第2項 = 141𝐵 (𝐴𝐴)2 = 14 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟23 { 𝜅(3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 } 2 (20)(17)式を代入した。 = 𝜅212 9𝑝2𝑟2 +6𝑐2𝜌𝑐𝑝𝑟2 +𝑐4𝜌𝑐2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 𝜅12 ( 9𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 3𝑝 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝑐2𝜌𝑐 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) (22)式の右辺の第3項 = 14(𝐵𝐵2) 𝐴𝐴 = 14 (23𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟) 𝜅(3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (21)(17)式を代入した。 = 𝜅6 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 (3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 𝜅6 ( 3𝑝 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝑐2𝜌𝑐 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) (22)式の右辺の第4項 = 12𝑟 ( 1𝐵𝐴𝐴 𝐵𝐵2 ) = 12𝑟 { 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟23 𝜅(3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 23𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 } (20)(17)(21)式を代入した。 = 𝜅6𝑟 { (3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 2𝑐2𝜌𝑐𝑟 } = 𝜅6(3𝑝𝑐2𝜌𝑐) これらを(22)式に代入すると、 (13)式の左辺 = 𝜅6 { 3𝑝𝑟 + 3𝑝 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝑐2𝜌𝑐 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) } +𝜅12 ( 9𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 3𝑝 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝑐2𝜌𝑐 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 𝜅6 ( 3𝑝 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝑐2𝜌𝑐 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝜅6(3𝑝𝑐2𝜌𝑐) = 𝜅12 [ 2 { 3𝑝𝑟 + 3𝑝 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝑐2𝜌𝑐 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) } + ( 9𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 3𝑝 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝑐2𝜌𝑐 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 2 ( 3𝑝 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝑐2𝜌𝑐 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) +2(3𝑝𝑐2𝜌𝑐)] = 𝜅12 [ 6𝑝𝑟+ 9𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +3𝑝 { 2 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 2 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +2 } +𝑐2𝜌𝑐 { 2 ( 1+ 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 2 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 2 } ] = 𝜅12 { 6𝑝𝑟+ 9𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +3𝑝 ( 4+ 4𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) +𝑐2𝜌𝑐 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 } = 𝜅4 { 2𝑝𝑟+ 3𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +𝑝 ( 4+ 4𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝜅𝑐4𝜌𝑐2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 } である。これを(13)式に代入すれば、 𝜅4 { 2𝑝𝑟+ 3𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +𝑝 ( 4+ 4𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝜅𝑐4𝜌𝑐2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 } = 𝜅𝑝 2𝑝𝑟+ 3𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +𝑝 ( 4+ 4𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) + 𝜅𝑐4𝜌𝑐2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 4𝑝 2𝑝𝑟+ 3𝜅𝑝2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +𝑝 4𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 + 𝜅𝑐4𝜌𝑐2𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 0 2𝑝𝑟+ 𝜅𝑟2 ( 3𝑝2 +4𝑐2𝜌𝑐𝑝 +𝑐4𝜌𝑐2 ) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 0 2𝑝𝑟+ 𝜅𝑟2 (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) (𝑝+𝑐2𝜌𝑐) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 0 𝑝 = 𝜅𝑟 (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) (𝑝+𝑐2𝜌𝑐) 2(3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2) (23) のように簡単な形になる。これが 𝑝 に関する微分方程式である。(23)式を導く方法は他にもあって、それは1.4節で説明する。さて、 3𝑝 + 𝑐²𝜌𝑐 や 𝑝 + 𝑐²𝜌𝑐 は0でないから(23)式の両辺をこれらの積で割って、 𝑝 (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) (𝑝+𝑐2𝜌𝑐) = 𝜅𝑟 2(3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2) 12𝑐2𝜌𝑐 ( 33𝑝+𝑐2𝜌𝑐 1𝑝+𝑐2𝜌𝑐 ) 𝑝 = 𝜅𝑟 2(3+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2) ( 33𝑝+𝑐2𝜌𝑐 1𝑝+𝑐2𝜌𝑐 ) 𝑝 = 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 3+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ( 33𝑝+𝑐2𝜌𝑐 1𝑝+𝑐2𝜌𝑐 ) 𝑝d𝑟 = 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 3+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 d𝑟 log|3𝑝+𝑐2𝜌𝑐| log|𝑝+𝑐2𝜌𝑐| = 12 log |3+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2| + (ℎは積分定数) log |3𝑝+𝑐2𝜌𝑐| |𝑝+𝑐2𝜌𝑐| = 12 log |3+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2| + |3𝑝+𝑐2𝜌𝑐| |𝑝+𝑐2𝜌𝑐| = e |3+𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2| (24) のようになる。ここで(24)式の絶対値の中身の符号を考えてみよう。左辺の2個の絶対値の中身はいつでも正である。右辺の絶対値の中身は天体の中心 𝑟 = 0 では負であり、 𝑟 に対して単調に増加して 𝑟=3𝜅𝑐2𝜌𝑐 で0になり、それより大きな 𝑟 では正になる。ところで天体の内部では左辺は0になりようがないのだから、右辺が0になってしまったら解なしである。よって、方程式が解を持つためには、天体の大きさに関して 𝑟𝑐 <3𝜅𝑐2𝜌𝑐 (25) が成り立っていなければならない。そしてこれが成り立っている限り(24)式の右辺の絶対値の中身は負である。よって(24)式の絶対値記号をはずすと 3𝑝+𝑐2𝜌𝑐 𝑝+𝑐2𝜌𝑐 = e 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (26) となる。ここで境界条件 𝑟 = 𝑟𝑐 のとき 𝑝(𝑟𝑐) = 0 を使うと、 𝑐2𝜌𝑐 𝑐2𝜌𝑐 = e 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 1 = e 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 e = 1 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 のように積分定数の値が決まるので、これを(26)式に代入すれば 3𝑝+𝑐2𝜌𝑐 𝑝+𝑐2𝜌𝑐 = 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 (3𝑝+𝑐2𝜌𝑐) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 = (𝑝+𝑐2𝜌𝑐) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝑝 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) = 𝑐2𝜌𝑐 ( 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 ) 𝑝 = 𝑐2𝜌𝑐 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (27) となって 𝑝 が決まる。

さて、(27)式の右辺の分子は 𝑟 に対して単調減少であり、天体の内部で正(ただし天体の表面では0)である。一方、分母は 𝑟 に対して単調増加であり、天体の表面で正であるから、 𝑟 = 𝑟𝑐 から 𝑟 を減らしていったら場合によっては中心に着くまでに分母が0になってしまうかもしれない。そうなったら圧力が発散してしまって困る。そのような困る状況が生じるのは、天体の内部のどこかで 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 0 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 = 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 9 ( 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 ) = 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 9𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐224 𝑟2 = 9𝑟𝑐2 24𝜅𝑐2𝜌𝑐 が成り立ってしまう場合である。だから圧力が発散しないためにはこの右辺が負になっている必要がある。よって、方程式が解をもつためには、 9𝑟𝑐2 24𝜅𝑐2𝜌𝑐 < 0 9𝑟𝑐2 < 24𝜅𝑐2𝜌𝑐 𝑟𝑐2 < 83𝜅𝑐2𝜌𝑐 𝑟𝑐 < 83𝜅𝑐2𝜌𝑐 (28) が成り立っていなければならない。これは先ほどの(25)式より厳しい条件である。

再び第(1, 1)成分

後回しになっていた(17)式に戻ろう。(27)式(17)式に代入すると、 𝐴𝐴 = 𝜅(3𝑝𝑟+𝑐2𝜌𝑐𝑟) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (17)式 = 𝜅 ( 3 𝑐2𝜌𝑐 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 𝑟 +𝑐2𝜌𝑐𝑟 ) 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 (27)式を代入した。 = 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 +1 ) = 𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 23𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 = 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 𝐴𝐴d𝑟 = 2𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) d𝑟 log|𝐴| = 2log | 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 | +𝑎 (𝑎は積分定数) |𝐴| = e𝑎 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 2 𝐴 = 𝑏 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 2 (𝑏は積分定数) (29) となって 𝐴 が決まる。もし6行目から7行目への変形の積分を思いつかなければ、 𝑥=3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 とおいて 𝑥 で置換積分すれば計算できる。

内部解の一般解

(29)(16)(27)(28)式をまとめると、解は (𝑔𝜇𝜈)= ( 𝑏 ( 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ) 2 0 0 0 0 1 113𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 0 0 00𝑟20 000𝑟2sin2𝜃 ) 𝑝= 𝑐2𝜌𝑐 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝜅𝑐2𝜌𝑐𝑟2 ただし 𝑟𝑐< 83𝜅𝑐2𝜌𝑐 あるいは 𝜌𝑐< 83𝜅𝑐2𝑟𝑐2 である。定数  𝜅=8𝜋𝐺𝑐4 を代入して少々の変形をすれば、 (𝑔𝜇𝜈)= ( 3𝑏 ( 3 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝑐2 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟2 3𝑐2 ) 2 0 0 0 0 1 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟2 3𝑐2 0 0 00𝑟20 000𝑟2sin2𝜃 ) (30) 𝑝= 𝑐2𝜌𝑐 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟23𝑐2 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝑐2 3 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟𝑐2 3𝑐2 1 8𝜋𝐺𝜌𝑐𝑟23𝑐2 (31) ただし 𝑟𝑐< 𝑐3𝜋𝐺𝜌𝑐 あるいは 𝜌𝑐< 𝑐23𝜋𝐺𝑟𝑐2 (32) のようになる。

もしも天体の外部に興味がなく、内部のことだけがわかればよいのであれば、必要なものはこれですべて求まった。積分定数 𝑏 は外部解のときと同様の理屈により正であれば何でもよい。キリがいい値でもいいし、天体の内部のどこか重要な場所における固有時が座標時 𝑡=𝑤𝑐 に一致するように 𝑏 を選んでも構わない。

外部解と整合的な解が欲しければ、内部解と外部解を同一の座標系で表して天体の表面で計量が連続になるように任意定数を選べばよい。その計算は第2章で行う。

⛭ 数式の表示設定 (S)