「双子のパラドックス」を両者の視点から計算する。(5)

B.2. 往路惰行局面

座標変換

往路惰行局面は 𝑇₁𝑡(2)𝑇₁+𝑇₂ である。ここで採用するS(2)系は慣性系のミンコフスキー座標である。アリスには何の力も作用しないから、この座標系でアリスの運動はただの直線である。初期条件を当てはめればその直線は一意に決まる。初期条件として、この局面の開始時のアリスの固有時と位置と4元速度を使えばよい。

この局面の開始時は出発局面の終了時と同じである。その際、固有時 𝜏𝐴 はスカラーだから座標系に関係なくそのまま使えばよい。位置 𝑥(2) に関しては、S(1)系で時刻 𝑡(1)=𝑇₁ のときとS(2)系で時刻 𝑡(2)=𝑇₁ のときの座標が一致するように座標系を定義するので、S(1)系での値 𝑥(1) をそのまま使える。4元速度 𝑢(2)𝜇 = d𝑋(2)𝜇d𝜏𝐴 に関しては、d𝜏𝐴 は座標系に依存しないし、 𝑡(1)=𝑡(2)=𝑇₁ の瞬間に限り d𝑥(1)=d𝑥(2) , d𝑦(1)=d𝑦(2) , d𝑧(1)=d𝑧(2) が成り立つから、4元速度の 𝑥, 𝑦, 𝑧 成分もS(1)系での値 𝑢(1)1, 𝑢(1)2, 𝑢(1)3 をそのまま使えばよい。しかし d𝑡(1)=d𝑡(2) は成り立たない(𝑡(1)=𝑡(2)=𝑇₁ の瞬間から無限小時間が経過した後は2つの座標系が一致しない)から4元速度の 𝑐𝑡 成分はS(1)系での値 𝑢(1)0 をそのまま使うことはできない。とはいえ4元速度の自由度は3つしかないから、 𝑥, 𝑦, 𝑧 成分がわかっているならそれをもとにして 𝑐𝑡 成分を算出することができる。

以上のような理屈により、実はこの先の議論を進めるにあたってS(1)系とS(2)系との間の座標変換を求める必要はないのである。しかしながら具体的な確認をしないで最初から飛ばしてしまうと不満に思う人がいるかもしれないので、ここではわざわざ座標変換を求めて位置と4元速度に対してS(1)系からS(2)系への変換を行うことにする。

S(1)系とS(2)系との間の座標変換はゼロから考えなくても、前節の結果を流用することができる。S(2)系は前節に出てきた出発前のS(0)系と同様のミンコフスキー座標であるから、S(1)系⇔S(0)系の変換とS(1)系⇔S(2)系の変換はほとんど同じである。違いは、変換前後の2つの座標系が一致する時刻が、前者の変換では 𝑡(1)=𝑡(0)=0 であるのに対して、後者の変換では 𝑡(1)=𝑡(2)=𝑇₁ であることだけである。ということは、S(1)系⇔S(0)系の変換である(59)式に対して両系を 𝑡 方向に 𝑇₁ だけ平行移動すればよいから、次のような置き換えをすればよい。

{ 𝑡(1)𝑡(1)𝑇₁ 𝑥(1)𝑥(1) 𝑦(1)𝑦(1) 𝑧(1)𝑧(1) 𝑡(0)𝑡(2)𝑇₁ 𝑥(0)𝑥(2) 𝑦(0)𝑦(2) 𝑧(0)𝑧(2) (94)

実際に(59)式に対して(94)式の置き換えをすると、 { 𝑐𝑡(2) = (𝑥(1)+𝑐2𝑎) sinh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 +𝑐𝑇₁ 𝑥(2) = (𝑥(1)+𝑐2𝑎) cosh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 𝑐2𝑎 𝑦(2)=𝑦(1) 𝑧(2)=𝑧(1) (95) となる。これが位置ベクトルの変換式である。位置ベクトルでない4元ベクトルの反変成分の変換行列を求めるために(95)式を偏微分すると、 ( ∂𝑋(2)0 ∂𝑋(1)0 ∂𝑋(2)0 ∂𝑋(1)1 ∂𝑋(2)0 ∂𝑋(1)2 ∂𝑋(2)0 ∂𝑋(1)3 ∂𝑋(2)1 ∂𝑋(1)0 ∂𝑋(2)1 ∂𝑋(1)1 ∂𝑋(2)1 ∂𝑋(1)2 ∂𝑋(2)1 ∂𝑋(1)3 ∂𝑋(2)2 ∂𝑋(1)0 ∂𝑋(2)2 ∂𝑋(1)1 ∂𝑋(2)2 ∂𝑋(1)2 ∂𝑋(2)2 ∂𝑋(1)3 ∂𝑋(2)3 ∂𝑋(1)0 ∂𝑋(2)3 ∂𝑋(1)1 ∂𝑋(2)3 ∂𝑋(1)2 ∂𝑋(2)3 ∂𝑋(1)3 ) = ( (𝑎𝑐2𝑥(1)+1) cosh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 sinh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 0 0 (𝑎𝑐2𝑥(1)+1) sinh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 cosh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 0 0 0010 0001 ) (96) となる。これは当然ながら(60)式に対して(94)式の置き換えをしても同じものが得られる。4元速度の変換式は(96)式の変換行列を使って ( 𝑢(2)0 𝑢(2)1 𝑢(2)2 𝑢(2)3 ) = ( (𝑎𝑐2𝑥(1)+1) cosh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 sinh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 0 0 (𝑎𝑐2𝑥(1)+1) sinh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 cosh𝑎(𝑡(1)𝑇₁)𝑐 0 0 0010 0001 ) ( 𝑢(1)0 𝑢(1)1 𝑢(1)2 𝑢(1)3 ) (97) のようになる。(95)(97)式を使ってアリスの座標変換を行う。前節の最後で計算したように、S(1)系で測って 𝑡(1)=𝑇₁ のときアリスの位置は 𝑐2𝑎 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 、4元速度は ( 𝑐cosh2𝑎𝑇₁𝑐, 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐, 0,0 ) である。これらを(95)式の第0成分に代入すると、 𝑐𝑡(2) = { ( 𝑐2𝑎 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝑐2𝑎 } sinh𝑎(𝑇₁𝑇₁)𝑐 +𝑐𝑇₁ = 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 0 +𝑐𝑇₁ =𝑐𝑇₁ 𝑡(2)=𝑇₁(98) となり、(95)式の第1成分に代入すると、 𝑥(2) = { ( 𝑐2𝑎 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝑐2𝑎 } cosh𝑎(𝑇₁𝑇₁)𝑐 𝑐2𝑎 = 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 1 𝑐2𝑎 = 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 (99) となり、確かにいずれもS(1)系での値と同じになる。また、4元速度は(97)式より、 ( 𝑢(2)0 𝑢(2)1 𝑢(2)2 𝑢(2)3 ) = ( { 𝑎𝑐2 ( 𝑐2𝑎 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +1 } cosh𝑎(𝑇₁𝑇₁)𝑐 sinh𝑎(𝑇₁𝑇₁)𝑐 0 0 { 𝑎𝑐2 ( 𝑐2𝑎 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +1 } sinh𝑎(𝑇₁𝑇₁)𝑐 cosh𝑎(𝑇₁𝑇₁)𝑐 0 0 0010 0001 ) ( 𝑐cosh2𝑎𝑇₁𝑐 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 0 0 ) = ( ( 1+1cosh𝑎𝑇₁𝑐+1 ) 1 0 0 0 ( 1+1cosh𝑎𝑇₁𝑐+1 ) 0 1 0 0 0010 0001 ) ( 𝑐cosh2𝑎𝑇₁𝑐 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 0 0 ) = ( 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 0 0 0 0 1 0 0 0010 0001 ) ( 𝑐cosh2𝑎𝑇₁𝑐 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 0 0 ) = ( 𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 0 0 ) (100) となり、確かに 𝑥, 𝑦, 𝑧 成分はS(1)系での値と同じになる。

運動方程式

アリスの速度はこの局面を通して一定である。その3次元的な速度 𝑣 を求める。今は(100)式より4元速度の第2・3成分(𝑦, 𝑧 成分)は0であるから、ミンコフスキー座標における4元速度の定義により次のような関係を満たす。

𝑢(2)0 = 𝑐1(𝑣𝑐)2 (101) 𝑢(2)1 = 𝑣1(𝑣𝑐)2 (102)

(102)式(100)式の第1成分を代入すると、 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑣1(𝑣𝑐)2 1(𝑣𝑐)2 sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑣𝑐 {1(𝑣𝑐)2} sinh2𝑎𝑇₁𝑐 = (𝑣𝑐)2 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 (𝑣𝑐)2 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 = (𝑣𝑐)2 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 = (𝑣𝑐)2 + (𝑣𝑐)2 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 = (𝑣𝑐)2 ( 1 + sinh2𝑎𝑇₁𝑐 ) sinh2𝑎𝑇₁𝑐 = (𝑣𝑐)2 cosh2𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2tanh2𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑣2 ±𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑣 となるが、(102)式より 𝑢(2)1 と 𝑣 は同符号であることがわかるので、複号は負を採用し、 𝑣=𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐(103) である。(100)式の第0成分と(103)式(101)式に代入すれば、(101)式も満たされていることがわかる。

アリスの速度 𝑣 が 𝑡(2) によらず一定であるから、アリスの位置 𝑥(2) は座標時 𝑡(2) の1次関数になるので(103)式の速度と(98)(99)式の初期条件の座標を使って 𝑥(2) = (𝑡(2)𝑡(2)の初期値) 𝑣+𝑥(2)の初期値 = (𝑡(2)𝑇₁) (𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐) + ( 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 ) = 𝑐(𝑡(2)𝑇₁) tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 (104) となる。また、アリスの固有時 𝜏𝐴 も座標時 𝑡(2) の1次関数になるので(98)(100)式の初期条件を使って 𝜏𝐴 = (𝑡(2)𝑡(2)の初期値) d𝜏𝐴d𝑡(2) +𝜏𝐴の初期値 = (𝑡(2)𝑡(2)の初期値) 𝑐𝑢(2)0 +𝜏𝐴の初期値 ←4元速度の定義 𝑢(2)0 = d(𝑐𝑡(2)) d𝜏𝐴 =𝑐d𝑡(2)d𝜏𝐴を使った。 = (𝑡(2)𝑇₁) 𝑐𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑡(2)𝑇₁ cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 (105) である。ここで固有時 𝜏𝐴 はスカラーだからその初期値は前節の最後で求めた値 𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 をそのまま使った。以上でS(2)系におけるアリスの世界線が(104)(105)式のように求まった。

往路惰行局面の終了時では、 𝑡(2)=𝑇₁+𝑇₂ であるからこれを(104)(105)式に代入すると、アリスの固有時は 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 、位置は 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 であり、4元速度は一定だから(100)式と同じで ( 𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐, 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐, 0,0 ) である。

ボブに固定した座標系での往路惰行局面におけるアリスの世界線のグラフ (104)式

B.3. 折り返し局面

折り返し局面は 𝑇₁+𝑇₂𝑡(3)3𝑇₁+𝑇₂ である。ここで採用するS(3)系は、空間原点に静止するボブが𝑥軸正方向に大きさ𝑎の一定の重力加速度を感じる座標系である。これは物理的な状況はB.1節の出発局面のリンドラー座標S(1)系とまったく同じであり、ただ重力加速度の方向と人間が人為的に引いた座標系の 𝑥 軸の方向との関係が逆になっているだけである。ということはS(3)系の計量や測地線の方程式は、S(1)系のそれに対して 𝑥 軸の方向を逆にすればよい。

すなわちS(1)系の計量テンソル(61)式𝑥(1)𝑥(3) に置き換えることにより、S(3)系の計量テンソルは (𝑔𝜇𝜈) = ( 𝑔00 𝑔01 𝑔02 𝑔03 𝑔10 𝑔11 𝑔12 𝑔13 𝑔20 𝑔21 𝑔22 𝑔23 𝑔30 𝑔31 𝑔32 𝑔33 ) = ( (𝑎𝑐2𝑥(3)+1)2 0 0 0 0100 0010 0001 ) (106) のように求まる。また、S(1)系の定義域は 𝑥(1)>𝑐2𝑎 であったから、これの 𝑥(1)𝑥(3) に置き換えるとS(3)系の定義域は 𝑥(3) > 𝑐2𝑎 𝑥(3)<𝑐2𝑎 になる。

次に初期条件としてこの局面の開始時 𝑡(3)=𝑇₁+𝑇₂ におけるアリスの固有時と位置と4元速度を求める。これはB.2節の往路惰行局面の終了時 𝑡(2)=𝑇₁+𝑇₂ のS(2)系における値をS(3)系に座標変換したものである。固有時 𝜏𝐴 はスカラーだから座標系に無関係なので初期条件は 𝜏𝐴 = 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 (107) である。位置と4元速度に関してはB.2節の最初のほうで述べたような理屈により、S(2)系とS(3)系が一致する 𝑡(2)=𝑡(3)=𝑇₁+𝑇₂ の瞬間に限り、4元速度の第0成分(𝑐𝑡 成分)を除いて座標変換しても値が変わらないから、初期条件は 𝑥(3) = 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 (108) 𝑦(3) = 0 (109) 𝑧(3) = 0 (110) 𝑢(3)1 = 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 (111) 𝑢(3)2 = 0 (112) 𝑢(3)3 = 0 (113) である。4元速度の第0成分(𝑐𝑡 成分)の初期条件は、それを使ってもこの後で独立でない条件式が増えるだけで何も変わらないので実は求める必要はないのであるが、気になる人のためにここで求めておく。4元速度の大きさの2乗がいつでも −𝑐² に等しいという条件を使うのである。

𝑔𝜇𝜈 𝑢(3)𝜇 𝑢(3)𝜈 =𝑐2

(106)式より 𝜇≠𝜈 のとき 𝑔𝜇𝜈=0であり、(112)・(113)式より 𝑢(3)2= 𝑢(3)3=0 であるから、0でない項だけを残すと 𝑔00 𝑢(3)0 𝑢(3)0 + 𝑔11 𝑢(3)1 𝑢(3)1 = 𝑐2 𝑔00 (𝑢(3)0)2 + 𝑔11 (𝑢(3)1)2 = 𝑐2 𝑔00 (𝑢(3)0)2 = 𝑐2 𝑔11 (𝑢(3)1)2 (𝑢(3)0)2 = 𝑐2 𝑔11 (𝑢(3)1)2 𝑔00 𝑢(3)0 = ± 𝑐2 𝑔11 (𝑢(3)1)2 𝑔00 = ± 𝑐2 1(𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐)2 (𝑎𝑐2𝑥(3)+1)2 (106)(111)式を代入した。 = ± 𝑐2 𝑐2sinh2𝑎𝑇₁𝑐 { 𝑎𝑐2 ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 ) +1 } 2 (108)式を代入した。 = ± 𝑐2 (1+sinh2𝑎𝑇₁𝑐) ( 𝑎𝑇₂𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 +1 +1 ) 2 = ± 𝑐2cosh2𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2 ) 2 = ± 𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑎𝑇₂𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2 であるが、 𝜏𝐴 が増えるとき 𝑡(3) も増えてほしいので複号は正を採用し、 𝑢(3)0= 𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑎𝑇₂𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2 (114) である。

次にアリスの運動方程式を求める。この節の最初の方で述べたように、A.1節の出発局面のS(1)系における解に対して 𝑥 軸の方向を逆にすればよい。さらに(109)・(110)式より初期条件の第2・3成分(𝑦, 𝑧 成分)が0である点も同じであるから、それを適用した後の(80)〜(83)式(𝜏𝐴 によるパラメータ表示)または(85)(86)(88)(89)式𝑡(1) の関数としての表示)に対して次のような置き換えをすればよい。

{ 𝑡(1)𝑡(3) 𝑥(1)𝑥(3) 𝑢(1)0 𝑢(3)0 𝑢(1)1 𝑢(3)1 (115)

第2・3成分(𝑦, 𝑧 成分)はずっと0であるからこの節ではもう書かない。 𝜏𝐴 によるパラメータ表示である(80)〜(83)式に対して(115)式の置き換えをすると、 𝑐𝑡(3) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑐4(𝜏𝐴+𝐾₁₁)𝑎𝐾₁₀ +𝐾₁₂ (116) 𝑥(3) = 𝑐2𝑎 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁)2 +𝑎2𝐾₁₀2𝑐6 (117) 𝑢(3)0= 𝐾₁₀ 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁)2 +𝑎2𝐾₁₀2𝑐6 = 𝐾₁₀ (𝑥(3)+𝑐2𝑎)2 (118) 𝑢(3)1 = 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁) 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁)2 +𝑎2𝐾₁₀2𝑐6 = 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁) 𝑥(3)+𝑐2𝑎 (119) である。(85)(86)(88)(89)式𝑡(1) の関数としての表示)に対して(115)式の置き換えをすると、 𝜏𝐴 = 𝑎𝐾₁₀𝑐4 tanh {𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} 𝐾₁₁ (120) 𝑥(3) = 𝑐2𝑎 𝑎|𝐾₁₀| 𝑐3 cosh{𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} (121) 𝑢(3)0 = 𝑐6 cosh2 {𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} 𝑎2𝐾₁₀ (122) 𝑢(3)1 = 𝐾₁₀|𝐾₁₀| 𝑐 sinh {𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} (123) である。積分定数を定めるためには前者の組と後者の組のどちらを使っても(あるいは両方を少しずつ使っても)構わないが、ここでは計算が楽そうな前者の(116)〜(119)式を使う。(119)式の左辺と右辺に初期条件(111)(107)(108)式を代入すると、 𝑢(3)1 = 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁) 𝑥(3)+𝑐2𝑎 (119)式 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑐2 { ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝐾₁₁ } ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 ) +𝑐2𝑎 (111)(107)(108)式 を代入した。 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑐2 ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝐾₁₁ ) 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐2𝑎 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐2𝑎 ) 𝑐2 = 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝐾₁₁ 𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝐾₁₁ 𝑇₂ sinh𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 sinh𝑎𝑇₁𝑐 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝐾₁₁ 𝑇₂ sinh2𝑎𝑇₁𝑐+1 cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝐾₁₁ 𝑇₂ cosh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝐾₁₁ 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝐾₁₁ (124) のように𝐾₁₁が定まる。(118)式の左辺と右辺に初期条件(114)(108)式を代入すると、 𝑢(3)0 = 𝐾₁₀ (𝑥(3)+𝑐2𝑎)2 (118)式 𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑎𝑇₂𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2 = 𝐾₁₀ { ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 ) +𝑐2𝑎 } 2 (114)(108)式を代入した。 𝑐cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑎𝑐2 ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐2𝑎 ) = 𝐾₁₀ ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐2𝑎 ) 2 𝑐3𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐2𝑎 ) = 𝐾₁₀ 𝑐5𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) = 𝐾₁₀ (125) のように𝐾₁₀が定まる。今定めた(124)(125)式の𝐾₁₁と𝐾₁₀が(117)式を満たすかどうか確認すると、 (117)式の左辺=𝑥(3) = 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 (108)式を代入した。 (117)式の右辺 = 𝑐2𝑎 𝑐2(𝜏𝐴+𝐾₁₁)2 +𝑎2𝐾₁₀2𝑐6 = 𝑐2𝑎 𝑐2 { ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 ) + ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 2 + 𝑎2 { 𝑐5𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 2 𝑐6 (107)(124)(125)式 を代入した。 = 𝑐2𝑎 𝑐2 { 𝑇₂ 1cosh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 + 𝑐𝑎 ( tanh𝑎𝑇₁𝑐 2sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 2 + 𝑎2 𝑐10𝑎4 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 𝑐6 = 𝑐2𝑎 𝑐2 { 𝑇₂ sinh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 + 𝑐𝑎 ( tanh𝑎𝑇₁𝑐 2sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 2 + 𝑐4𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑐2𝑎2 { 𝑎𝑇₂𝑐 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 + ( tanh𝑎𝑇₁𝑐 2sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 2 + 𝑐4𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐4𝑎2 { 𝑎𝑇₂𝑐 tanh𝑎𝑇₁𝑐 sinh𝑎𝑇₁𝑐 + tanh𝑎𝑇₁𝑐 (12cosh𝑎𝑇₁𝑐) } 2 + 𝑐4𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 tanh2𝑎𝑇₁𝑐 { 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 +(12cosh𝑎𝑇₁𝑐) } 2 + ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 tanh2𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 + ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 (tanh2𝑎𝑇₁𝑐+1) ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 1cosh2𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 2 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) = 𝑐2𝑎 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐2𝑎 = 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 となって左辺と右辺が同じになるので確かに(117)式も満たされている。(118)(119)式のそれぞれ右の等号は(117)式と同じことを言っているのだから、考えてみれば当たり前だ。少し上で4元速度の第0成分の初期条件を使う必要がないと言ったのはこのことである。

最後に残った𝐾₁₂を定めるため(116)式に初期条件(107)式𝑡(3)=𝑇₁+𝑇₂ および(124)(125)式を代入すると、 𝑐𝑡(3) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑐4(𝜏𝐴+𝐾₁₁)𝑎𝐾₁₀ +𝐾₁₂ (116)式 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑐4 { ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 ) + ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 𝑎𝑐5𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝐾₁₂ 𝑡(3)の初期条件と (107)(124)(125)式 を代入した。 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑐4 { 𝑇₂ 1cosh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 + 𝑐𝑎 ( tanh𝑎𝑇₁𝑐2sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 𝑐5𝑎 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑎 { 𝑇₂ sinh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 + 𝑐𝑎 ( tanh𝑎𝑇₁𝑐2sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑎𝑐𝑎 { 𝑎𝑇₂𝑐 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 + ( tanh𝑎𝑇₁𝑐2sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) } 𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh 𝑎𝑇₂𝑐 sinh2𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 +tanh𝑎𝑇₁𝑐 2sinh𝑎𝑇₁𝑐 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh tanh𝑎𝑇₁𝑐 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh(tanh𝑎𝑇₁𝑐) +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎 artanh{tanh(𝑎𝑇₁𝑐)} +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐2𝑎(𝑎𝑇₁𝑐) +𝐾₁₂ 𝑐(𝑇₁+𝑇₂) = 𝑐𝑇₁+𝐾₁₂ 𝑐(2𝑇₁+𝑇₂) = 𝐾₁₂ (126) のように𝐾₁₂が定まる。

(124)(126)式で定まった積分定数の値を(120)〜(123)式に代入すれば、S(3)系で見たアリスの固有時と位置と4元速度は次のようになる。

𝜏𝐴 = 𝑎𝐾₁₀𝑐4 tanh {𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} 𝐾₁₁ (120)式 = 𝑎𝑐5𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) 𝑐4 tanh [ 𝑎𝑐 { 𝑡(3)𝑐(2𝑇₁+𝑇₂)𝑐 } ] ( 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 ) ←積分定数の値を代入した。 = ( 𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐𝑎 +2𝑐𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) tanh𝑎(𝑡(3)2𝑇₁𝑇₂)𝑐 +𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 (127) 𝑥(3) = 𝑐2𝑎 𝑎|𝐾₁₀| 𝑐3 cosh{𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} (121)式 = 𝑐2𝑎 𝑎 | 𝑐5𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) | 𝑐3 cosh [ 𝑎𝑐 { 𝑡(3)𝑐(2𝑇₁+𝑇₂)𝑐 } ] ←積分定数の値を代入した。 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎(𝑡(3)2𝑇₁𝑇₂)𝑐 (128) 𝑢(3)0 = 𝑐6 cosh2 {𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} 𝑎2𝐾₁₀ (122)式 = 𝑐6 cosh2 [ 𝑎𝑐 { 𝑡(3)𝑐(2𝑇₁+𝑇₂)𝑐 } ] 𝑎2 𝑐5𝑎2 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) ←積分定数の値を代入した。 = 𝑐 cosh2 𝑎(𝑡(3)2𝑇₁𝑇₂)𝑐 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 (129) 𝑢(3)1 = 𝐾₁₀|𝐾₁₀| 𝑐 sinh {𝑎𝑐(𝑡(3)𝐾₁₂𝑐)} (123)式 = 1𝑐 sinh [ 𝑎𝑐 { 𝑡(3)𝑐(2𝑇₁+𝑇₂)𝑐 } ] ←積分定数の値を代入した。 = 𝑐 sinh 𝑎(𝑡(3)2𝑇₁𝑇₂)𝑐 (130)

だんだん式が長くなってきたが、大部分は定数であって変数は 𝑡(3) だけなので、それほどややこしい関数ではない。

ボブの固有時が 𝜏𝐵=𝑡(3)=2𝑇₁+𝑇₂ であるときに往路から復路に切り替わることが期待される。(130)式𝑡(3)=2𝑇₁+𝑇₂ を代入するとアリスの4元速度の第1成分(𝑥 成分)は 0 となり、この瞬間に負から正に変わることがわかる。このとき、(128)式よりアリスの位置は 𝑥(3) = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 cosh 𝑎{(2𝑇₁+𝑇₂)2𝑇₁𝑇₂}𝑐 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 ( 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) = 𝑐2𝑎 𝑐𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎 2𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 = 2𝑐2𝑎 𝑐𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 である。この位置はアリスがボブから最も遠くに離れたときの位置である。またこのときのアリスの経過時間は(127)式𝑡(3)=2𝑇₁+𝑇₂ を代入すると 𝜏𝐴 = 𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 である。

折り返し局面の終了時では、 𝑡(3)=3𝑇₁+𝑇₂ であるからこれを(127)(130)式に代入すると、アリスの固有時は 𝜏𝐴 = ( 𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐𝑎 +2𝑐𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) tanh 𝑎{(3𝑇₁+𝑇₂)2𝑇₁𝑇₂}𝑐 +𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = ( 𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐𝑎 +2𝑐𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 ) tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑇₂sinh𝑎𝑇₁𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑇₂cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐𝑎tanh𝑎𝑇₁𝑐 +4𝑐𝑎sinh𝑎𝑇₁𝑐 であり、位置は 𝑥(3) = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎(𝑡(3)2𝑇₁𝑇₂)𝑐 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 cosh 𝑎{(3𝑇₁+𝑇₂)2𝑇₁𝑇₂}𝑐 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 cosh𝑎𝑇₁𝑐 = 𝑐2𝑎 𝑐2𝑎 ( 𝑎𝑇₂𝑐tanh𝑎𝑇₁𝑐 1cosh𝑎𝑇₁𝑐 +2 ) = 𝑐2𝑎 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 2𝑐2𝑎 = 𝑐𝑇₂tanh𝑎𝑇₁𝑐 +𝑐2𝑎cosh𝑎𝑇₁𝑐 𝑐2𝑎 であり、4元速度は ( 𝑐cosh2𝑎𝑇₁𝑐 𝑎𝑇₂𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 1 +2cosh𝑎𝑇₁𝑐 , 𝑐sinh𝑎𝑇₁𝑐 ,0,0) である。

ボブに固定した座標系での折り返し局面におけるアリスの世界線のグラフ (128)式
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