シュバルツシルト解のリーマン曲率テンソル(6)

第3章 シュバルツシルト解(内部解)のリーマンテンソル等

ここでは内部解のリーマンテンソルやリッチテンソル等を求める。やり方は前章までの外部解と同じなので、途中の式変形は省略して結果だけを書いておく。

シュバルツシルト解(内部解)の導出」でやったように、内部解の線素の式は d𝑠2= 14 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 2 d𝑤2 + 1 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 d𝑟2 +𝑟2d𝜃2 +𝑟2sin2𝜃d𝜑2 である。ただし 𝑟 = 𝑟𝑐 は天体の表面であり、他の文字の意味は前章までと同じである。

クリストッフェル記号

クリストッフェル記号のうち0でない成分は 𝛤100 = 𝑟𝑠𝑟4𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝛤111 = 𝑟𝑠𝑟𝑟𝑐3 1 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝛤122 = 𝑟 ( 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝛤133 = 𝑟 ( 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) sin2𝜃 𝛤233 = sin𝜃cos𝜃 𝛤010= 𝛤001 = 𝑟𝑠𝑟𝑟𝑐3 1 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝛤212= 𝛤221= 𝛤313= 𝛤331 = 1𝑟 𝛤323= 𝛤332 = cot𝜃 である。

リーマンテンソル

リーマンテンソルの 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 のうち0でない成分は 𝑅0101= 𝑅0110= 𝑅1010= 𝑅1001 = 𝑟𝑠4𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅0202= 𝑅0220= 𝑅2020= 𝑅2002 = 𝑟𝑠𝑟24𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝑅0303= 𝑅0330= 𝑅3030= 𝑅3003 = 𝑟𝑠𝑟24𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) sin2𝜃 𝑅1212= 𝑅1221= 𝑅2121= 𝑅2112 = 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 1 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅1313= 𝑅1331= 𝑅3131= 𝑅3113 = 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 1 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 sin2𝜃 𝑅2323= 𝑅2332= 𝑅3232= 𝑅3223 = 𝑟𝑠𝑟4𝑟𝑐3 sin2𝜃 であり、 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 のうち0でない成分は 𝑅1010= 𝑅1001= 𝑅2020= 𝑅2002= 𝑅3030= 𝑅3003 = 𝑟𝑠4𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝑅0101= 𝑅0110 = 𝑟𝑠𝑟𝑐3 1 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝑅2121= 𝑅2112= 𝑅3131= 𝑅3113 = 𝑟𝑠𝑟𝑐3 1 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅0202= 𝑅0220 = 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅1212= 𝑅1221= 𝑅3232= 𝑅3223 = 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅0303= 𝑅0330 = 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 sin2𝜃 𝑅1313= 𝑅1331= 𝑅2323= 𝑅2332 = 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 sin2𝜃 である。あとあまり見かけないかもしれないが 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 はもっと単純で、その0でない成分は 𝑅0101= 𝑅0110= 𝑅1010= 𝑅1001= 𝑅0202= 𝑅0220= 𝑅2020= 𝑅2002= 𝑅0303= 𝑅0330= 𝑅3030= 𝑅3003 = 𝑟𝑠𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅1212= 𝑅1221= 𝑅2121= 𝑅2112= 𝑅1313= 𝑅1331= 𝑅3131= 𝑅3113= 𝑅2323= 𝑅2332= 𝑅3232= 𝑅3223 = 𝑟𝑠𝑟𝑐3 である。

リーマンテンソルの2乗とその平方根は 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 = 12𝑟𝑠2𝑟𝑐6 { 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 2 +1 } 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 = 23𝑟𝑠𝑟𝑐3 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 2 +1 である。

リッチテンソル・スカラー曲率

内部解は外部解と違ってリッチテンソルも0ではないので、それもついでに計算しておこう。

リッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 はリーマンテンソルの縮約 𝑅𝜆𝜇𝜆𝜈 であるから、0でない成分は 𝑅00= 3𝑟𝑠4𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝑅11= 3𝑟𝑠𝑟𝑐3 21𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ( 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) ( 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 ) 𝑅22= 3𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 21𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅33= 3𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 21𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 sin2𝜃 である。 𝑅𝜇𝜈 のうち0でない成分は 𝑅00 = 3𝑟𝑠𝑟𝑐3 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 𝑅11= 𝑅22= 𝑅33 = 3𝑟𝑠𝑟𝑐3 21𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1 𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 である。したがってスカラー曲率(リッチスカラー) 𝑅 は 𝑅= 6𝑟𝑠𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 2 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 31𝑟𝑠𝑟𝑐 1𝑟𝑠𝑟2𝑟𝑐3 である。ここで計算したリッチテンソルとスカラー曲率を元の重力場の方程式(アインシュタイン方程式)に代入すると確かに成り立っていることがわかる。

スカラー量の挙動

上でリーマンテンソルの2乗の平方根 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 とスカラー曲率 𝑅 というスカラー量が出てきた。これらが動径座標 𝑟 に対してどう変化するかを図2に示す。いずれも 𝑟 = 𝑟𝑐 で不連続になっている。 𝑟𝑐=98𝑟𝑠 は 𝑟𝑐 の下限であり、これ以下の 𝑟𝑐 に対して定常状態は存在しない。 98𝑟𝑠 <𝑟𝑐< 95𝑟𝑠 の場合は天体の内部で 𝑟= 𝑟𝑐2 95𝑟𝑐𝑟𝑠 を境に 𝑅 の符号が変わるようだ。

シュバルツシルト解のリーマンテンソルの2乗の平方根が動径座標に対して単調減少するグラフ シュバルツシルト解のスカラー曲率が内部では動径座標に対して単調増加し外部では0になるグラフ

図2. シュバルツシルト解のリーマンテンソルの2乗の平方根とスカラー曲率。

それぞれ4通りの 𝑟𝑐 について、 𝑟 < 𝑟𝑐 では内部解を、 𝑟 > 𝑟𝑐 では外部解を使って計算したもの。

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