第3章 シュバルツシルト解(内部解)のリーマンテンソル等
ここでは内部解のリーマンテンソルやリッチテンソル等を求める。やり方は前章までの外部解と同じなので、途中の式変形は省略して結果だけを書いておく。
「シュバルツシルト解(内部解)の導出」でやったように、内部解の線素の式は
である。ただし 𝑟 = 𝑟𝑐 は天体の表面であり、他の文字の意味は前章までと同じである。
クリストッフェル記号
クリストッフェル記号のうち0でない成分は
である。
リーマンテンソル
リーマンテンソルの 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 のうち0でない成分は
であり、 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 のうち0でない成分は
である。あとあまり見かけないかもしれないが 𝑅𝜅𝜆𝜇𝜈 はもっと単純で、その0でない成分は
である。
リーマンテンソルの2乗とその平方根は
である。
リッチテンソル・スカラー曲率
内部解は外部解と違ってリッチテンソルも0ではないので、それもついでに計算しておこう。
リッチテンソル 𝑅𝜇𝜈 はリーマンテンソルの縮約 𝑅𝜆𝜇𝜆𝜈 であるから、0でない成分は
である。 𝑅𝜇𝜈 のうち0でない成分は
である。したがってスカラー曲率(リッチスカラー) 𝑅 は
である。ここで計算したリッチテンソルとスカラー曲率を元の重力場の方程式(アインシュタイン方程式)に代入すると確かに成り立っていることがわかる。
スカラー量の挙動
上でリーマンテンソルの2乗の平方根
とスカラー曲率 𝑅 というスカラー量が出てきた。これらが動径座標 𝑟 に対してどう変化するかを図2に示す。いずれも 𝑟 = 𝑟𝑐 で不連続になっている。
は 𝑟𝑐 の下限であり、これ以下の 𝑟𝑐 に対して定常状態は存在しない。
の場合は天体の内部で
を境に 𝑅 の符号が変わるようだ。