光や物質で満たされた宇宙に対するフリードマン方程式を解く(6)

【3】 𝛬 ≠ 0, 256𝛬²𝐾𝑟³ − 81𝛬𝐾𝑚 − 432𝛬𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚² − 384𝛬𝑘²𝐾𝑟² + 36𝑘³𝐾𝑚² + 144𝑘𝐾𝑟 = 0 のとき

今積分したい式は 𝑎d𝑎 𝐾𝑟 +𝐾𝑚𝑎 𝑘𝑎2 +𝛬3𝑎4 =±𝑐d𝑡 ( 𝐾𝑟>0,𝐾𝑚>0 ) (103)式 である。 𝛬 ≠ 0 なら左辺の被積分関数は根号の中が4次式であるから一般にはこの積分は初等関数で表せない。だが 256𝛬2𝐾𝑟3 81𝛬𝐾𝑚4 432𝛬𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 384𝛬𝑘2𝐾𝑟2 +36𝑘3𝐾𝑚2 +144𝑘4𝐾𝑟 =0 (152) という条件が成り立っていれば初等的に積分することができる。この条件式は不等式ではなく等式である。これがたまたまぴったり成り立つことは現実にはたぶんないだろう。ただ、解を定性的な性質で分類するときに境界となるようなものがここに含まれているので、そういう観点では重要である。それにこれは前節における【4】に対応するものである。3.2節でやったのに3.3節でやらないのもバランスが悪いので、一応触れておくことにする。

まず(152)式がどこから出てきたかを説明しておこう。(103)式の左辺の被積分関数の根号の中は4次式であるが、それが運良く1次式の2乗を因数に持っていれば、それを根号の外に出すことができて根号の中は2次式となり積分ができる。ここではそのような場合を扱う。すなわち 𝐽, 𝑋, 𝑌, 𝑍 を未定の定数として、 𝐾𝑟 +𝐾𝑚𝑎 𝑘𝑎2 +𝛬3𝑎4 = (𝑎𝐽)2 (𝑋𝑎2+𝑌𝑎+𝑍) (153) のようになっていればよいのである。(153)式の右辺を展開すれば 𝐾𝑟 +𝐾𝑚𝑎 𝑘𝑎2 +𝛬3𝑎4 = 𝑋𝑎4 +(2𝐽𝑋+𝑌)𝑎3 + (𝐽2𝑋2𝐽𝑌+𝑍)𝑎2 +(𝐽2𝑌2𝐽𝑍)𝑎 +𝐽2𝑍 であるから、 𝑎 の係数を比較すると { 𝑋 = 𝛬3 2𝐽𝑋 + 𝑌 = 0 𝐽2𝑋 2𝐽𝑌 + 𝑍 = 𝑘 𝐽2𝑌 2𝐽𝑍 = 𝐾𝑚 𝐽2𝑍 = 𝐾𝑟 (154) となる。式が5つあるから制約も5つ出てくるわけだが、その内訳は、(153)式のような因数分解ができるために 𝛬, 𝑘, 𝐾𝑟, 𝐾𝑚 が満たすべき1つの関係と、それが満たされる場合の 𝐽, 𝑋, 𝑌, 𝑍 の4つの値である。

とりあえず 𝐽 は置いといて(154)式を 𝑋, 𝑌, 𝑍 の連立方程式だと思えば、第1式からそのまま 𝑋=𝛬3 であり、これを第2式に代入して変形すれば 𝑌=2𝛬𝐽3 となり、第5式より 𝑍=𝐾𝑟𝐽2 となる(第5式から 𝐽 ≠ 0 がわかる)。まだ使っていない残りの第3式・第4式にこれらの 𝑋, 𝑌, 𝑍 を代入すると { 𝛬𝐽2+𝐾𝑟𝐽2 =𝑘 (155) 2𝛬𝐽33 2𝐾𝑟𝐽 =𝐾𝑚 (156) となる。(156)式32𝐽 倍を(155)式に足すと 2𝐾𝑟𝐽2 = 𝑘+3𝐾𝑚2𝐽 0 = 𝑘𝐽2 +3𝐾𝑚2𝐽 +2𝐾𝑟 (157) となる。今のところ 𝑘 の値は何も制限していないから0の可能性もある。もしも 𝑘 ≠ 0 ならば、(157)式より 𝐽 = 3𝐾𝑚2 ± 9𝐾𝑚24 +8𝑘𝐾𝑟 2𝑘 = 3𝐾𝑚 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 4𝑘 (158) である。あるいはこの分子と分母に 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 (𝑘 ≠ 0 と仮定しているから、これは0でない。)を掛ければ 𝐽 = 9𝐾𝑚2 (9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟) 4𝑘 ( 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 ) = 8𝐾𝑟 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 (159) と書くこともできる。(158)式(159)式は複号同順である。もしも 𝑘 = 0 ならば、(157)式より 𝐽=4𝐾𝑟3𝐾𝑚 (160) である。ところで(158)式に 𝑘 = 0 を代入したら分母が0になってしまうので無意味だが、(159)式に 𝑘 = 0 を代入すると、複号の上を採用すれば(160)式と同じになり下を採用すれば発散する。したがって、発散する場合を除外することにしておけば 𝑘 が0であろうがなかろうが(159)式を使えばよいことになる。あとはこの 𝐽 を(155)式(156)式に代入すれば(154)式の5連立方程式の最後の条件が判明する。単に代入しただけではわけのわからない形になるので、とりあえず 𝛬 について解いた形で表示してみよう。(159)式より 1𝐽 = 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 8𝐾𝑟 1𝐽2 = 9𝐾𝑚2+16𝑘𝐾𝑟 ±3𝐾𝑚 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 32𝐾𝑟2 1𝐽3 = 9𝐾𝑚 (3𝐾𝑚2+8𝑘𝐾𝑟) ± (9𝐾𝑚2+8𝑘𝐾𝑟) 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 128𝐾𝑟3 1𝐽4 = 81𝐾𝑚4 +288𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 +128𝑘2𝐾𝑟2 ±3𝐾𝑚 (9𝐾𝑚2+16𝑘𝐾𝑟) 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 512𝐾𝑟4 であるから、(155)式を使えば 𝛬𝐽2+𝐾𝑟𝐽2 = 𝑘 (155)式 𝛬 = 𝑘𝐽2+𝐾𝑟𝐽4 = 𝑘 9𝐾𝑚2+16𝑘𝐾𝑟 ±3𝐾𝑚 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 32𝐾𝑟2 +𝐾𝑟 81𝐾𝑚4 +288𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 +128𝑘2𝐾𝑟2 ±3𝐾𝑚 (9𝐾𝑚2+16𝑘𝐾𝑟) 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 512𝐾𝑟4 = 3 27𝐾𝑚4 +144𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 +128𝑘2𝐾𝑟2 ±𝐾𝑚 (9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟) 32 512𝐾𝑟3 となり、(156)式を使えば 2𝛬𝐽33 2𝐾𝑟𝐽 = 𝐾𝑚 (156)式 𝛬 = 3𝐾𝑚2𝐽3 +3𝐾𝑟𝐽4 = 3𝐾𝑚2 { 9𝐾𝑚 (3𝐾𝑚2+8𝑘𝐾𝑟) ± (9𝐾𝑚2+8𝑘𝐾𝑟) 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 128𝐾𝑟3 } +3𝐾𝑟 81𝐾𝑚4 +288𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 +128𝑘2𝐾𝑟2 ±3𝐾𝑚 (9𝐾𝑚2+16𝑘𝐾𝑟) 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 512𝐾𝑟4 = 3 27𝐾𝑚4 +144𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 +128𝑘2𝐾𝑟2 ±𝐾𝑚 (9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟) 32 512𝐾𝑟3 となって、当然ながら同じ結果が出てくる。分数の横線が長すぎて書きくいからばらして 𝛬= 3 { 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚232𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 ±𝐾𝑚 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 32 } (161) と書いておこう。(158)(159)式(161)式は複号同順であり、この先もこのページでは 𝛬 と 𝐽 は最下行までずっと複号同順である((103)式の右辺についている複号に対してはまったく関係なく複号任意である)。3桁の数値係数とかあってめんどくさそうだが、分母の数値係数はすべて2のべき乗、分子の数値係数はすべて3のべき乗で統一されている。それがどうしたと言われても困るが。

結局、幸運にも 𝛬 の値が(161)式のようになっているならば、(153)式より 𝐾𝑟 +𝐾𝑚𝑎 𝑘𝑎2 +𝛬3𝑎4 = (𝑎𝐽)2 ( 𝛬3𝑎2 +2𝛬𝐽3𝑎 +𝐾𝑟𝐽2 ) (162) ただし 𝐽= 8𝐾𝑟 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 (159)式 のように書けるということだ。ただし本来(161)式は 𝛬, 𝑘, 𝐾𝑟, 𝐾𝑚 の4つの定数の間の関係を表すものだが、この書き方だと 𝛬 だけ独立性が失われて他の3定数に依存しているかのような印象を与える恐れがあり公平性を欠いているし、複号や無理式があってややこしい。そこで少し変形すると 𝛬 = 3 { 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚2 32𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 ±𝐾𝑚 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 32 } (161)式 𝛬 3 ( 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚2 32𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 ) = ±3𝐾𝑚 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 32 { 𝛬 3 ( 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚2 32𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 ) } 2 = 9𝐾𝑚2 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 3 𝛬2 3𝛬 ( 27𝐾𝑚4256𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚2 16𝐾𝑟2 +𝑘22𝐾𝑟 ) +9 ( 729𝐾𝑚8262144𝐾𝑟6 + 243𝑘𝐾𝑚6 8192𝐾𝑟5 + 27𝑘2𝐾𝑚4 256𝐾𝑟4 + 9𝑘3𝐾𝑚2 64𝐾𝑟3 +𝑘416𝐾𝑟2 ) = 9𝐾𝑚2 ( 729𝐾𝑚6262144𝐾𝑟6 + 243𝑘𝐾𝑚4 8192𝐾𝑟5 + 27𝑘2𝐾𝑚2 256𝐾𝑟4 +𝑘38𝐾𝑟3 ) 𝛬2 81𝛬𝐾𝑚4 256𝐾𝑟3 27𝛬𝑘𝐾𝑚2 16𝐾𝑟2 3𝛬𝑘22𝐾𝑟 + 9𝑘3𝐾𝑚2 64𝐾𝑟3 +9𝑘416𝐾𝑟2 = 0 256𝛬2𝐾𝑟3 81𝛬𝐾𝑚4 432𝛬𝑘𝐾𝑟𝐾𝑚2 384𝛬𝑘2𝐾𝑟2 +36𝑘3𝐾𝑚2 +144𝑘4𝐾𝑟 = 0 (152)式 のようになり、(152)式が導かれた。見た目はこちらのほうが簡潔である……というほど簡潔でもないが整数係数の斉次多項式になった。(152)式がどこから出てきたかの説明はこれで終わりだ。

(152)式または(161)式が満たされるのがどういう場合なのかを視覚的に表示したものが図3である。別にこんな図を描かなくても正しく式変形を行えば原理的にはこの先の計算をすることはできるが、この図を把握していた方が理解しやすいだろうと思う。

(152)式または(161)式を満たす曲線を 𝑘‐𝛬 平面に描いた図。 (152)式または(161)式を満たす曲線を 𝑘‐𝛬 平面に描いた図。

図3. 𝐾𝑟 と 𝐾𝑚 を固定して、(152)式または(161)式を満たす 𝑘 と 𝛬 を表示した図。 𝑘 は 𝐾𝑚2𝐾𝑟 を単位として、 𝛬 は 𝐾𝑚4𝐾𝑟3 を単位として目盛りをとってある。2つの図は同じものを表すグラフであり、1つ目の図の原点付近を拡大したものが2つ目の図である。

茶色と緑色の曲線は(161)式で複号を+にしたものであり、水色とピンク色の曲線は(161)式で複号を−にしたものである。 𝑘 と 𝛬 の値がこれらの曲線上のどこかに乗っていれば、この先でやるようにフリードマン方程式を初等的に積分することができる。なお 𝛬 = 0 の場合は今の話の対象外である。

ところで(158)(159)式の 𝐽 も、右辺に 𝛬 だけ入っていなくて不公平だし複号や根号があってややこしいではないか、と思うのであれば、 𝐽= 4𝐾𝑟 ( 9𝛬𝐾𝑚2 +8𝛬𝑘𝐾𝑟 6𝑘3 ) 3𝐾𝑚 ( 9𝛬𝐾𝑚2 +16𝛬𝑘𝐾𝑟 4𝑘3 ) (163) とか 𝐽= 3𝐾𝑚(4𝛬𝐾𝑟+𝑘2) 9𝛬𝐾𝑚2 +8𝛬𝑘𝐾𝑟 6𝑘3 (164) のように書くこともできる。(152)式が成り立っている限り(163)式(164)式の値は等しい。ただし 𝑘 =9𝐾𝑚232𝐾𝑟 , 𝛬= 81𝐾𝑚44096𝐾𝑟3 のときは(152)式が成り立つけれども(163)(164)式は右辺が分子も分母も0になってしまうので使えない。(163)(164)式が使えるのは 𝑘> 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 , 𝛬> 81𝐾𝑚44096𝐾𝑟3 のときである。なお 𝑘< 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 または 𝛬< 81𝐾𝑚44096𝐾𝑟3 のときはどうやっても(152)式が成り立たない。(163)(164)式の導出は読者への演習問題とする。

ついでに、この後で何度か使う表式があるので今それを計算しておく。(156)式より 2𝛬𝐽33 2𝐾𝑟𝐽 = 𝐾𝑚 (156)式 2𝛬𝐽33 = 𝐾𝑚+2𝐾𝑟𝐽 𝛬𝐽3𝐾𝑚 = 3 ( 12 +𝐾𝑟𝐾𝑚𝐽 ) = 3 { 12 +𝐾𝑟𝐾𝑚 ( 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 8𝐾𝑟 ) } = 38 ( 1 3 1 + 32𝑘𝐾𝑟9𝐾𝑚2 ) (165) である。これももちろん(158)(159)(161)式と複号同順である。


では本題の積分を始めよう。(152)式または(161)式が成り立っているとき、(162)式より 𝐾𝑟 +𝐾𝑚𝑎 𝑘𝑎2 +𝛬3𝑎4 = (𝑎𝐽)2 ( 𝛬3𝑎2 +2𝛬𝐽3𝑎 +𝐾𝑟𝐽2 ) (162)式 = (𝑎𝐽)2 { 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝛬𝐽23 +𝐾𝑟𝐽2 } = (𝑎𝐽)2 { 𝛬3(𝑎+𝐽)2 12𝐽 ( 2𝛬𝐽33 2𝐾𝑟𝐽 ) } = (𝑎𝐽)2 { 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 } (156)式を代入した。(166) のようになるから、これを使って(103)式を変形すると 𝑎d𝑎 𝐾𝑟 +𝐾𝑚𝑎 𝑘𝑎2 +𝛬3𝑎4 = ±𝑐d𝑡 (103)式 𝑎d𝑎 (𝑎𝐽)2 { 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 } = ±𝑐d𝑡 (166)式を代入した。 𝑎d𝑎 |𝑎𝐽| 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 となって根号の中が簡単になる。右辺の全体に複号がついているから左辺の符号がひっくり返っても等式の意味は変わらないので、左辺の被積分関数の分母の絶対値記号はあってもなくても同じだからはずすと、 𝑎d𝑎 (𝑎𝐽) 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (167) となる。ここからさらに 𝛬 と 𝐽 の符号によって場合分けをする。

【3‐1】 𝛬= 3 { 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚232𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 ±𝐾𝑚 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 32 } <0 のとき

これは図3の茶色の曲線と水色の曲線に対応する。 𝛬 が負になるのは複号が上(茶色の曲線)なら 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 𝑘< 𝐾𝑚24𝐾𝑟 のとき、複号が下(水色の曲線)なら 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 𝑘<0 のときだから、いずれにしても 𝑘 も負である。よって(159)式 𝐽= 8𝐾𝑟 3𝐾𝑚 ±9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 (159)式 より 𝐽 も負である。 (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 =±𝑐d𝑡 (167)式 の左辺の被積分関数の分母の根号の中身は正でなければならないから、 𝑎 は |𝛬3(𝑎+𝐽)| <𝐾𝑚2𝐽 を満たす範囲を動くことができる。そこで新しい変数を 𝑢 として 𝛬3(𝑎+𝐽) = 𝐾𝑚2𝐽 1𝑢21+𝑢2 (168) とおく。ただし 𝑢 は正ものを選ぶこととする。すなわち 𝑢 について解けば 𝑢= 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 (169) である。すると 𝑎 = 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 1𝑢21+𝑢2 𝐽 (170) d𝑎 = 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1+𝑢2)2 d𝑢 (171) であるから、これらを(167)式に代入すると (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (167)式 ( 1 + 𝐽 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 1𝑢21+𝑢2 𝐽𝐽 ) 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1+𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 ( 1𝑢21+𝑢2 ) 2 +𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (168)(170)・(171)式を代入した。 ( 1 + 𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1𝑢21+𝑢2 2𝐽 ) 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1+𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 (2𝑢1+𝑢2)2 = ±𝑐d𝑡 ( 1 + 12 12𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1𝑢21+𝑢2 +1 ) 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1+𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 2𝑢1+𝑢2 = ±𝑐d𝑡 ( 1 + 12 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1𝑢21+𝑢2 +1 ) ( 3𝛬 21+𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 { 21+𝑢2 + 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (1𝑢2) +(1+𝑢2) } d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 { 21+𝑢2 + 1 ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) + ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 𝑢2 } d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 ( 21+𝑢2 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1+ 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (172) のようになる。(172)式 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 の符号によって積分が異なる。その符号を調べるには(165)式 𝛬𝐽3𝐾𝑚= 38 ( 1 3 1 + 32𝑘𝐾𝑟9𝐾𝑚2 ) (165)式 を見ればよい。 𝑘 =9𝐾𝑚232𝐾𝑟 のときは(165)式の根号の中が0だから複号が上でも下でも同じで、 𝛬𝐽3𝐾𝑚=38 すなわち 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 =0 である。 𝑘> 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 のときは、複号が下ならば 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 <𝑘<0 であるから 38< 𝛬𝐽3𝐾𝑚 <32 すなわち 0< 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 <12 であり、複号が上ならば 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 <𝑘< 𝐾𝑚24𝐾𝑟 であるから 0< 𝛬𝐽3𝐾𝑚 <38 すなわち 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 <0 である。以下でこれらの場合に分けて積分をしてみよう。

𝑘= 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 のとき

これは図3の水色の曲線と茶色の曲線の接点に対応する。 𝛬= 81𝐾𝑚44096𝐾𝑟3 , 𝐽=8𝐾𝑟3𝐾𝑚 である。また、 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 =1 であるからこれを(172)式に代入すると 3𝛬 (21+𝑢2+12) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 (2arctan𝑢+12𝑢) = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) ±1𝑐3𝛬 (2arctan𝑢+12𝑢) = 𝑡 (173) である。 𝑢 を元に戻すと、(169)式より 𝑢 = 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 (169)式 = 𝑎𝐽2𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽2𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 = 𝑎𝐽2𝐽𝑎+𝐽2𝐽 = 𝑎3𝐽𝑎𝐽 であるから(173)式 ±1𝑐3𝛬 ( 2arctan 𝑎3𝐽𝑎𝐽 +12 𝑎3𝐽𝑎𝐽 ) =𝑡 (174) となる。 arctan の中に根号があるのはあまり嬉しくないので、公式 cos2𝜓= 1tan2𝜓1+tan2𝜓 (84)式 𝜓=arctan𝑎3𝐽𝑎𝐽 を代入し、 0𝜓<𝜋2 であることに注意して変形すれば、 cos ( 2arctan𝑎3𝐽𝑎𝐽 ) = 1𝑎3𝐽𝑎𝐽 1+𝑎3𝐽𝑎𝐽 =2𝑎+2𝐽4𝐽 =𝑎+𝐽2𝐽 2arctan𝑎3𝐽𝑎𝐽 = arccos𝑎+𝐽2𝐽 となるので、これを(174)式に代入すると解は ±1𝑐3𝛬 ( arccos𝑎+𝐽2𝐽 +12 𝑎3𝐽𝑎𝐽 ) =𝑡 と書ける。 𝐽=8𝐾𝑟3𝐾𝑚 を代入して 𝐽 を消去すれば ±1𝑐3𝛬 ( arccos 3𝐾𝑚𝑎8𝐾𝑟 16𝐾𝑟 +32 𝐾𝑚𝑎+8𝐾𝑟 3𝐾𝑚𝑎+8𝐾𝑟 ) =𝑡 である。これは時刻 𝑡 = 1𝑐𝛬 (2𝜋3+32) = 64𝐾𝑟32 9𝑐𝐾𝑚2 (2𝜋3+32) に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、時刻 𝑡 = 0 に最大値 𝑎 =3𝑘2𝛬 =8𝐾𝑟𝐾𝑚 になって加速収縮に転じ、時刻 𝑡 = 1𝑐𝛬 (2𝜋332) = 64𝐾𝑟32 9𝑐𝐾𝑚2 (2𝜋332) に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。複号の+が膨張期であり、複号の−が収縮期である。

𝑘> 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 で複号が下のとき

これは図3の水色の曲線に対応する。 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 >0 だから(172)式 3𝛬 ( 21+𝑢2 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1+ 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (172)式 3𝛬 { 2arctan𝑢 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arctan ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) ±1𝑐3𝛬 { 2arctan𝑢 + 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arctan ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = 𝑡 となる。(169)式を使って 𝑢 を元に戻すと ±1𝑐3𝛬 { 2arctan 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arctan ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽+ 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽+ 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } =𝑡 (175) となって煩雑である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。公式 cos2𝜓= 1tan2𝜓1+tan2𝜓 (84)式 の 𝜓 に具体的な表式を代入すると、以下ではいずれも 0𝜓<𝜋2 であることに注意して変形すれば、 𝜓=arctan 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 のとき cos ( 2arctan 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 1 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1+ 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) + ( 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 2(𝑎+𝐽) 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 = 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) 2arctan 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = arccos { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } (176) 𝜓=arctan ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) のとき cos { 2arctan ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 + 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } = 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1+ 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) + ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 2(𝑎+𝐽) +2 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 2(𝑎+𝐽) +2 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 2(2𝐽) 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 + 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 arctan ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 12arccos ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) となるので、これらを(175)式に代入すると解は ±1𝑐3𝛬 [ arccos { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } + 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arccos ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) ] =𝑡 となる。これは時刻 𝑡= 1𝑐3𝛬 { arccos ( 2𝛬𝐽33𝐾𝑚 ) + 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arccos ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽3 ) } に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、時刻 𝑡 = 0 に最大値 𝑎 =𝐽+3𝐾𝑚2𝛬𝐽 になって加速収縮に転じ、時刻 𝑡= 1𝑐3𝛬 { arccos ( 2𝛬𝐽33𝐾𝑚 ) 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arccos ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽3 ) } に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。複号の+が膨張期であり、複号の−が収縮期である。

𝑘> 9𝐾𝑚232𝐾𝑟 で複号が上のとき

これは図3の茶色の曲線に対応する。  1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 <0 だから(172)式 3𝛬 ( 21+𝑢2 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1+ 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (172)式 3𝛬 ( 21+𝑢2 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 となるが、これは 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 が1より大きい領域と1より小さい領域とで、(91)式の公式を使った積分の表式が異なる(対数関数と絶対値を使って書けば異ならないが、ここではその書き方はしない)。そこで(169)(170)式を使って値の範囲を調べると、 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 は 𝑎 < 𝐽 において1より大きく、 𝑎 > 𝐽 において1より小さいことがわかる。今は物理的に 𝑎 ≧ 0 であるから 𝑎 > 𝐽 の領域だけを考えればよいので、積分すると 3𝛬 { 2arctan𝑢 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) ±1𝑐3𝛬 { 2arctan𝑢 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = 𝑡 となる。(169)式を使って 𝑢 を元に戻すと ±1𝑐3𝛬 { 2arctan 𝑎𝐽+ 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽+ 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽+ 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽+ 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } =𝑡 (177) となって煩雑である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。左辺の波括弧内の第1項についてはで求めた(176)式と同じで 2arctan 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = arccos { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } (176)式 である。第2項については公式 cosh2𝜓= 1+tanh2𝜓1tanh2𝜓 (93)式 𝜓=artanh ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) を代入し、 𝜓 ≧ 0 であることに注意して変形すれば、 cosh { 2artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } = 1+ 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) + ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 2(𝑎+𝐽) +2 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 2(𝑎+𝐽) +2 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 2(2𝐽) 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 + 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 artanh ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 12arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) である。これらを(177)式に代入すると解は ±1𝑐3𝛬 [ arccos { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } + 1 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) ] =𝑡 となる。これは時刻 𝑡= 1𝑐3𝛬 { arccos ( 2𝛬𝐽33𝐾𝑚 ) + 1 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽3 ) } に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、時刻 𝑡 = 0 に最大値 𝑎 =𝐽+3𝐾𝑚2𝛬𝐽 になって加速収縮に転じ、時刻 𝑡= 1𝑐3𝛬 { arccos ( 2𝛬𝐽33𝐾𝑚 ) 1 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽3 ) } に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。複号の+が膨張期であり、複号の−が収縮期である。

【3‐2】 𝛬= 3 { 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚232𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 𝐾𝑚 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 32 } >0 のとき

これは図3のピンク色の曲線に対応する。(161)式の 𝛬 の複号が下であるから、それと同順である(159)式の 𝐽 や(165)式𝛬𝐽3𝐾𝑚 の複号も下である。そして 𝛬 は正だから 𝑘 も正である。よって(159)式で複号の下を採用した 𝐽= 8𝐾𝑟 3𝐾𝑚 9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 より 𝐽 も正である。 (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 =±𝑐d𝑡 (167)式 の左辺の被積分関数の分母の根号の中身は正でなければならないから、 𝑎 は |𝛬3(𝑎+𝐽)| >𝐾𝑚2𝐽 を満たす範囲を動くことができる。そこで新しい変数を 𝑢 として 𝛬3(𝑎+𝐽) = 𝐾𝑚2𝐽 1+𝑢21𝑢2 (178) とおく。ただし 𝑢 は 0 < 𝑢 < 1 の範囲から選ぶこととする。すなわち 𝑢 について解けば 𝑢= 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 (179) である。数学的には 𝛬3(𝑎+𝐽) が負になる領域を見落としてはいけないが、今は物理的に 𝑎 ≧ 0 だからそれは負にならないのでそこは考えなくてよい。すると 𝑎 = 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 1+𝑢21𝑢2 𝐽 (180) d𝑎 = 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1𝑢2)2 d𝑢 (181) であるから、これらを(167)式に代入すると (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (167)式 ( 1 + 𝐽 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 1+𝑢21𝑢2 𝐽𝐽 ) 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 ( 1+𝑢21𝑢2 ) 2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (178)(180)・(181)式を代入した。 ( 1 + 𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1+𝑢21𝑢2 2𝐽 ) 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 (2𝑢1𝑢2)2 = ±𝑐d𝑡 ( 1 + 12 12𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1+𝑢21𝑢2 1 ) 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 4𝑢(1𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 2𝑢1𝑢2 = ±𝑐d𝑡 ( 1 + 12 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+𝑢21𝑢2 1 ) 3𝛬21𝑢2 d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 { 21𝑢2 + 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (1+𝑢2) (1𝑢2) } d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 { 21𝑢2 + 1 ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) + ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 𝑢2 } d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 ( 21𝑢2 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (182) のようになる。(182)式 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 の符号によって積分が異なるので、(165)式で複号の下を採用した 𝛬𝐽3𝐾𝑚= 38 ( 1 +3 1 + 32𝑘𝐾𝑟9𝐾𝑚2 ) を見ると、今は 𝑘 は正だから 𝛬𝐽3𝐾𝑚>32 すなわち 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 >12 であることがわかる。 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 が正の場合、(182)式 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 が1より大きい領域と1より小さい領域とで、(91)式の公式を使った積分の表式が異なる(対数関数と絶対値を使って書けば異ならないが、ここではその書き方はしない)。そこで(179)(180)式を使って値の範囲を調べると、 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 は 𝑎 < 𝐽 において1より小さく、 𝑎 > 𝐽 において1より大きいことがわかる。以下でそれぞれの領域で別々に積分しよう。

①  𝑎 < 𝐽 の領域

(182)式 3𝛬 ( 21𝑢2 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (182)式 3𝛬 { 2artanh𝑢 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) ±1𝑐3𝛬 { 2artanh𝑢 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = 𝑡 となる。(179)式を使って 𝑢 を元に戻すと ±1𝑐3𝛬 { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } =𝑡 (183) となって煩雑である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。公式 cosh2𝜓= 1+tanh2𝜓1tanh2𝜓 (93)式 の 𝜓 に具体的な表式を代入すると、以下ではいずれも 𝜓 ≧ 0 であることに注意して変形すれば、 𝜓=artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 のとき cosh ( 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 1+ 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) + ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 2(𝑎+𝐽) 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 = 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = arcosh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } (184) 𝜓=artanh ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) のとき cosh { 2artanh ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } = 1+ 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) + ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 2(𝑎+𝐽) 2 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 2(𝑎+𝐽) 23𝐾𝑚4𝛬𝐽2 22𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎+𝐽 artanh ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 12arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎+𝐽 ) となるので、これらを(183)式に代入すると解は ±1𝑐3𝛬 [ arcosh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎+𝐽 ) ] =𝑡 となる。複号が+の解は、無限の過去に 𝑎 = 𝐽 だったものが加速収縮し、時刻 𝑡 = 1𝑐3𝛬 { arcosh2𝛬𝐽33𝐾𝑚 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽3 ) } に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。複号が−の解はその時間反転である。

②  𝑎 > 𝐽 の領域

(182)式 3𝛬 ( 21𝑢2 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (182)式 3𝛬 { 2artanh𝑢 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcoth ( 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑢 ) } = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) ±1𝑐3𝛬 { 2artanh𝑢 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1𝑢 ) } = 𝑡 となる。(179)式を使って 𝑢 を元に戻すと ±1𝑐3𝛬 { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } =𝑡 (185) となって煩雑である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。左辺の波括弧内の第1項についてはで求めた(184)式と同じで 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = arcosh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } (184)式 である。第2項については公式 cosh2𝜓= 1+tanh2𝜓1tanh2𝜓 (93)式 𝜓=artanh ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) を代入し、 𝜓 ≧ 0 であることに注意して変形すれば、 cosh { 2artanh ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) } = 1+ 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1+ 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) + ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 2(𝑎+𝐽) 2 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 2(𝑎+𝐽) 23𝐾𝑚4𝛬𝐽2 22𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 + 23𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 artanh ( 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 ) = 12arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) である。これらを(185)式に代入すると解は ±1𝑐3𝛬 [ arcosh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) ] =𝑡 となる。複号が+の解は、無限の過去に 𝑎 = 𝐽 だったものが加速膨張し、無限の未来に 𝑎 → ∞ になる宇宙である。複号が−の解はその時間反転である。

の結果を見比べると、 𝑎 < 𝐽 における解と 𝑎 > 𝐽 における解をまとめて ±1𝑐3𝛬 [ arcosh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arcosh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 |𝑎𝐽| ) ] =𝑡 と書けることがわかる。

【3‐3】 𝛬= 3 { 27𝐾𝑚4512𝐾𝑟3 + 9𝑘𝐾𝑚232𝐾𝑟2 +𝑘24𝐾𝑟 +𝐾𝑚 ( 9𝐾𝑚264𝐾𝑟2 +𝑘2𝐾𝑟 ) 32 } >0 のとき

これは図3の緑色の曲線に対応する。(161)式の 𝛬 の複号が上であるから、それと同順である(159)式の 𝐽 や(165)式𝛬𝐽3𝐾𝑚 の複号も上である。よって(159)式で複号の上を採用した 𝐽= 8𝐾𝑟 3𝐾𝑚 +9𝐾𝑚2+32𝑘𝐾𝑟 より 𝐽 は負である。 (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 =±𝑐d𝑡 (167)式 の左辺の被積分関数の分母の根号の中身は 𝑎 にかかわらず正である。そこで新しい変数を 𝑢 として 𝛬3(𝑎+𝐽) = 𝐾𝑚2𝐽 2𝑢1𝑢2 (186) とおく。ただし 𝑢 は |𝑢| < 1 の範囲から選ぶこととする。すなわち 𝑢 について解けば 𝑢= 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 (187) である。分母に無理式があるのが気に入らないかもしれないが、分母を有理化すると 𝑎 = −𝐽 のときに分子も分母も0になってしまい別扱いを要するから、それを避けるために意図的にこうしているのである。すると 𝑎 = 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 2𝑢1𝑢2 𝐽 (188) d𝑎 = 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 2(1+𝑢2) (1𝑢2)2 d𝑢 (189) であるから、これらを(167)式に代入すると (1+𝐽𝑎𝐽) d𝑎 𝛬3(𝑎+𝐽)2 𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (167)式 ( 1 + 𝐽 3𝛬 𝐾𝑚2𝐽 2𝑢1𝑢2 𝐽𝐽 ) 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 2(1+𝑢2) (1𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 (2𝑢1𝑢2)2 +𝐾𝑚2𝐽 = ±𝑐d𝑡 (186)(188)・(189)式を代入した。 ( 1 + 𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 2𝑢1𝑢2 2𝐽 ) 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 2(1+𝑢2) (1𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 ( 1+𝑢21𝑢2 ) 2 = ±𝑐d𝑡 ( 1 + 12 12𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 2𝑢1𝑢2 +1 ) 3𝛬𝐾𝑚2𝐽 2(1+𝑢2) (1𝑢2)2 d𝑢 𝐾𝑚2𝐽 1+𝑢21𝑢2 = ±𝑐d𝑡 ( 1 + 12 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 2𝑢1𝑢2 +1 ) 3𝛬21𝑢2 d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 { 21𝑢2 + 1 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 2𝑢 +(1𝑢2) } d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 { 21𝑢2 + 1 ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) ( 𝑢 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 } d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 ( 21𝑢2 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 1 ( 𝑢 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 となるが、これは ( 𝑢 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 1+3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 が1より大きい領域と1より小さい領域とで、(91)式の公式を使った積分の表式が異なる(対数関数と絶対値を使って書けば異ならないが、ここではその書き方はしない)。そこで(187)(188)式を使って値の範囲を調べると、 ( 𝑢 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 1+3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 は 𝑎 < 𝐽 において1より大きく、 𝑎 > 𝐽 において1より小さいことがわかる。今は物理的に 𝑎 ≧ 0 であるから 𝑎 > 𝐽 の領域だけを考えればよいので、積分すると 3𝛬 ( 2artanh𝑢 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh 𝑢 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) ±1𝑐3𝛬 ( 2artanh𝑢 1 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh 𝑢 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) = 𝑡 となる。(187)式を使って 𝑢 を元に戻すと ±1𝑐3𝛬 { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } =𝑡 (190) となって煩雑である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。公式 cosh2𝜓= 1+tanh2𝜓1tanh2𝜓 (93)式 を使うと sinh22𝜓 = cosh22𝜓1 = ( 1+tanh2𝜓1tanh2𝜓 ) 2 1 = 4tanh2𝜓 (1tanh2𝜓)2 sinh2𝜓 = 2tanh𝜓1tanh2𝜓 (191) が得られる。 sinh 2𝜓 と tanh 𝜓 は常に同符号だし 1 − tanh² 𝜓 は常に正だから(191)式の符号はこれでよい。(191)式 𝜓= artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 を代入すれば、 sinh { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } = 2 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 1 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 (192) となる。これの右辺の分母を変形すると 1 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 = { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 (𝑎+𝐽)2 { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 = 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +23𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 (𝑎+𝐽)2 { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 = 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +23𝐾𝑚2𝛬𝐽 { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 = 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 = 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 (193) であるから元の(192)式に戻せば sinh { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } = 2 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 { 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } = 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = arsinh 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) (194) となる。また、(191)式 𝜓= artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 を代入すれば、 sinh { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } = 2 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } 2 = 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } 2 (195) となる。これの右辺の分子を変形すると 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } = 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 { 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 であり、右辺の分母を変形すると ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } 2 = ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) [ { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ] = 1 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 2 + 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 となるがこの右辺の第1項+第2項は先ほど出てきた(193)式と同じであるからそれを流用して ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) 2 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } 2 = 23𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = 2(2𝐽) 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 + 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎+𝐽) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 = 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎𝐽) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 である。これらの分子・分母を元の(195)式に戻せば sinh { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } = 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 { 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎𝐽) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } = 2 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 { 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 } 2 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎𝐽) = 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 { 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 ) 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 } 𝑎𝐽 = 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 𝑎𝐽 (196) のようになるけれども、今までのように簡潔に 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 だけにはならず、邪魔なものがくっついている。そこで sinh𝑈= 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 sinh𝑉= 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 と置いてみると、 cosh𝑈 = 1+sinh2𝑈 = 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 cosh𝑉 = 1+sinh2𝑉 = 1+ 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) 2 = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 { 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3+ ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) 2 } = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 (𝑎𝐽)2 + ( 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 ) 2 (𝑎𝐽)2 = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 𝑎2 +3𝐾𝑚4𝛬𝐽2𝑎 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽 +𝑎2 + ( 2𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽2 ) 𝑎 +𝐽2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 + 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 (𝑎𝐽)2 = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 ( 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 +1 ) 𝑎2 + ( 2𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 ) 𝑎 +𝐽2 +15𝐾𝑚8𝛬𝐽 + 9𝐾𝑚2 16𝛬2𝐽4 𝑎𝐽 = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 ( 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 ) { 𝑎2 +2𝐽𝑎 +𝐽2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 } 𝑎𝐽 = 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 𝑎𝐽 であるから、これらを(196)式と見比べれば sinh { 2artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } = cosh𝑈sinh𝑉sinh𝑈cosh𝑉 = sinh(𝑉𝑈) artanh 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚2𝛬𝐽 +(𝑎+𝐽)2 +3𝐾𝑚2𝛬𝐽 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 1 +3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 = 12(𝑉𝑈) = 12 { arsinh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) arsinh 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } (197) となる。(194)(197)式(190)式に代入すれば ±1𝑐3𝛬 [ arsinh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 { arsinh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) arsinh 3𝐾𝑚8𝛬𝐽3 } ] =𝑡 となる。だが本来この解には積分定数がついており、今はそれを勝手に0にして時間座標の原点を決め打ちしているだけだから、角括弧内第2項の波括弧内第2項の定数は積分定数に吸収されてしまうのでわざわざ書いても意味がない。よって解はこの項を消して ±1𝑐3𝛬 [ arsinh { 2𝛬𝐽3𝐾𝑚 (𝑎+𝐽) } 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arsinh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 𝑎+𝐽 3𝐾𝑚4𝛬𝐽2 𝑎𝐽 ) ] =𝑡 とすることができる。複号が+の解は、時刻 𝑡 = 1𝑐3𝛬 { arsinh 2𝛬𝐽33𝐾𝑚 + 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arsinh ( 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 3𝐾𝑚2𝛬𝐽3 ) } に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、時刻 𝑡 = 1𝑐3𝛬 [ arsinh { 13 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 ( 2 sinh ( 13 arsinh 81𝐾𝑚8𝛬𝐽35 2 ) +1 ) } 1 2 13𝐾𝑚8𝛬𝐽3 arsinh { 8𝛬𝐽33𝐾𝑚 2 sinh ( 13 arsinh 81𝐾𝑚8𝛬𝐽35 2 ) +1 9𝐾𝑚8𝛬𝐽3 2 sinh ( 13 arsinh 81𝐾𝑚8𝛬𝐽35 2 ) 2 } ] 𝑎= 𝐽3 { 22 sinh ( 13 arsinh 81𝐾𝑚8𝛬𝐽35 2 ) 1 } になって加速膨張に転じ、無限の未来に 𝑎 → ∞ になる宇宙である。複号が−の解はその時間反転である。

⛭ 数式の表示設定 (S)