光や物質で満たされた宇宙に対するフリードマン方程式を解く(4)

【4】 9𝛬𝐾𝑚² = 4𝑘³ ≠ 0 のとき

𝛬 ≠ 0 かつ 𝑘 ≠ 0 の場合で初等的に積分する方法を私が知っているのはこの条件 9𝛬𝐾𝑚2 =4𝑘3 (74) が成り立つときだけである。(74)式より 𝛬 と 𝑘 は同符号である。ここで 𝐽=3𝐾𝑚2𝑘 (75) と置くと、この 𝐽 も 𝛬 や 𝑘 と同符号であり、次のような量を計算すると、 𝛬3 (2𝐽+𝑎)(𝐽𝑎)2 = 𝛬3 (2𝐽+𝑎) (𝐽22𝐽𝑎+𝑎2) = 𝛬3 ( 2𝐽33𝐽2𝑎+𝑎3 ) = 𝛬3 ( 27𝐾𝑚34𝑘3 27𝐾𝑚24𝑘2𝑎 +𝑎3 ) (75)式を代入した。 = 9𝛬𝐾𝑚34𝑘3 9𝛬𝐾𝑚24𝑘2 𝑎 +𝛬3𝑎3 = 9𝛬𝐾𝑚3 9𝛬𝐾𝑚2 4𝑘34𝑘2𝑎 +𝛬3𝑎3 (74)式を代入した。 = 𝐾𝑚𝑘𝑎+𝛬3𝑎3 (76) のようになるから、これを使って(45)式を変形すると 𝑎d𝑎 𝐾𝑚𝑘𝑎+𝛬3𝑎3 = ±𝑐d𝑡 (45)式 𝑎d𝑎 𝛬3 (2𝐽+𝑎)(𝐽𝑎)2 = ±𝑐d𝑡 (76)式を代入した。 𝑎d𝑎 |𝐽𝑎| 𝛬3(2𝐽+𝑎) = ±𝑐d𝑡 1|𝐽𝑎| 3𝛬𝑎2𝐽+𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 となって根号の中が簡単になる。右辺の全体に複号がついているから左辺の符号がひっくり返っても等式の意味は変わらないので、左辺の被積分関数の分母の絶対値記号はあってもなくても同じだからはずすと、 1𝐽𝑎 3𝛬𝑎2𝐽+𝑎 d𝑎 =±𝑐d𝑡 (77) となる。ここからさらに 𝛬 と 𝑘 の符号によって場合分けをする。

【4‐1】 9𝛬𝐾𝑚² = 4𝑘³ < 0 のとき

このとき 𝛬 と 𝑘 は負であり、 𝐽 も負である。(77)式 1𝐽𝑎 3𝛬𝑎2𝐽+𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 (77)式 1𝐽𝑎 3𝛬 𝑎2𝐽𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 1𝐽𝑎 𝑎2𝐽𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 (78) となる。ここで置換積分するに当たって、新しい変数を 𝑢 として真っ先に思いつく方法は根号の中を 𝑢² と置くことかもしれないが、ここでは都合により 1𝑢2=𝑎2𝐽𝑎 (79) と置く。ただし 𝑢 は正ものを選ぶこととする。別に 1𝑢2 でなく 𝑢² と置いたって積分はできるのだが、このようにした理由は後で説明する。これだと 𝑎 = 0 となる点が表現できないではないかと心配になるかもしれないが、どうせ当節の大本のフリードマン方程式(42)式は 𝑎 = 0 のときに発散するのでそこを気にしても無駄である。 𝑢 → +∞ の極限をとれば 𝑎 → +0 の極限が計算できるのでそれでよしとしておこう。すると、 2𝐽𝑎 = 𝑢2𝑎 𝑎 = 2𝐽1+𝑢2 (80) d𝑎 = 4𝐽𝑢(1+𝑢2)2 d𝑢 (81) であるから、これらを(78)式に代入すると 3𝛬 1𝐽𝑎 𝑎2𝐽𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 (78)式 3𝛬 1𝐽2𝐽1+𝑢2 1𝑢2 4𝐽𝑢(1+𝑢2)2 d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (79)(80)・(81)式を代入した。 3𝛬 1𝐽(1+𝑢2)+2𝐽 1𝑢 4𝐽𝑢1+𝑢2 d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 4 (3+𝑢2)(1+𝑢2) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 ( 21+𝑢2 23+𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 ( 211+𝑢2 23 11+13𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (82) となる。ここで積分の公式 d𝑥1+𝑥2 = arctan𝑥+𝐶𝐶は積分定数) を使って(82)式を積分すると 3𝛬 ( 2arctan𝑢23arctan𝑢3 ) = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) 1𝛬 (23arctan𝑢2arctan𝑢3) = ±𝑐𝑡 ± 1𝑐𝛬 (23arctan𝑢2arctan𝑢3) = 𝑡 となる。 𝑢 を元に戻せば 𝑡= ± 1𝑐𝛬 ( 23arctan2𝐽𝑎𝑎 2arctan2𝐽𝑎3𝑎 ) (83) である。とりあえずこれで解の表式は求まった。さて、この形のままでも構わないのだが、 arctan の中に根号があったり、 𝑎 → +0 のときに arctan の引数が+∞に発散する(が、そのとき arctan 自体の値は有限で 𝜋2 に収束する)というのはあまり格好良くないし、解の挙動を把握するのが面倒である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。

三角関数の最も基本的な関係式の一つである cos2𝜓+sin2𝜓=1 を使うと cos2𝜓 = cos2𝜓 cos2𝜓+sin2𝜓 = 1 1+sin2𝜓cos2𝜓 = 11+tan2𝜓 が得られるので、これを使うと cos の2倍角の公式から cos2𝜓 = 2cos2𝜓1 = 21+tan2𝜓1 = 1tan2𝜓1+tan2𝜓 (84) が得られる。(84)式の 𝜓 に具体的な表式を代入すると、以下ではいずれも 0<𝜓<𝜋2 であることに注意して変形すれば、 𝜓=arctan2𝐽𝑎𝑎のとき cos (2arctan2𝐽𝑎𝑎) = 12𝐽𝑎𝑎 1+2𝐽𝑎𝑎 =2𝑎+2𝐽2𝐽 =𝑎+𝐽𝐽 2arctan2𝐽𝑎𝑎 = arccos𝑎+𝐽𝐽 𝜓=arctan2𝐽𝑎3𝑎 のとき cos ( 2arctan2𝐽𝑎3𝑎 ) = 12𝐽𝑎3𝑎 1+2𝐽𝑎3𝑎 = 4𝑎+2𝐽2𝑎2𝐽 =2𝑎+𝐽𝑎𝐽 2arctan2𝐽𝑎3𝑎 = arccos2𝑎+𝐽𝑎𝐽 となる。これらを(83)式に代入すれば、解は 𝑡 = ± 1𝑐𝛬 ( 3arccos𝑎+𝐽𝐽 arccos2𝑎+𝐽𝑎𝐽 ) (85) ただし𝐽 =3𝐾𝑚2𝑘 =3𝐾𝑚2𝛬3 =𝑘𝛬 のように書くことができ、だいぶマシな形になった。しかし逆に 𝑎 を 𝑡 の初等関数で書くことはできないだろう。

𝑢 = 0 すなわち 𝑎 = −2𝐽 のときは(78)式の左辺の被積分関数の分母が0になってしまうので除外して考えてきたが、(44)式までさかのぼってみるとそのときも 0 = 0 となってちゃんと成り立っている。よって 𝑎 = −2𝐽 のときも(85)式は解である。これは時刻 𝑡= (31)𝜋𝑐𝛬 に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、時刻 𝑡 = 0 に最大値 𝑎 = −2𝐽 になって加速収縮に転じ、時刻 𝑡= (31)𝜋𝑐𝛬 に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。複号の−が膨張期で複号の+が収縮期である。

ところで(79)式の変数変換で置換積分をしたときに左辺を 𝑢² でなく 1𝑢2 と置いた理由の説明が後回しになっていた。その理由は、 𝑢² と置いて置換積分すると解の膨張期と収縮期とで積分定数の値を変えなければならなくなる(そうしないと 𝑎 が最大値をとる時刻がずれて、同じ時刻で両者がつながらない)ので、説明や解の表記がめんどくさくなるからだ。ただそれだけの理由である。 cos 関数の逆関数は多価関数だが、 arccos 関数はその中から1個の分枝(値域が [0, 𝜋] となるもの)だけを勝手に選んでいるから、そういうことが起きるのだ。具体的にどうなるのか想像ができなければ、実際にやってみるがよい。

【4‐2】 9𝛬𝐾𝑚² = 4𝑘³ > 0 のとき

このとき 𝛬 と 𝑘 は正であり、 𝐽 も正である。(77)式 1𝐽𝑎 3𝛬𝑎2𝐽+𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 (77)式 3𝛬 1𝐽𝑎 𝑎2𝐽+𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 (86) となる。ここで置換積分するに当たって、新しい変数を 𝑢 として 𝑢2=𝑎2𝐽+𝑎 (87) と置く。ただし 𝑢 は非負のものを選ぶこととする。先ほど【4‐1】では本質的でない手間を回避するために 𝑢² でなく 1𝑢2 と置いたが、今回はそのような手間は生じないので素直に 𝑢² にしておく。すると、 𝑢2(2𝐽+𝑎) = 𝑎 𝑎 = 2𝐽𝑢21𝑢2 (88) = 2𝐽(11𝑢21) d𝑎 = 4𝐽𝑢(1𝑢2)2 d𝑢 (89) であるから、これらを(86)式に代入すると 3𝛬 1𝐽𝑎 𝑎2𝐽+𝑎 d𝑎 = ±𝑐d𝑡 (86)式 3𝛬 1 𝐽 2𝐽𝑢21𝑢2 𝑢2 4𝐽𝑢(1𝑢2)2 d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (87)(88)・(89)式を代入した。 3𝛬 1 𝐽(1𝑢2)2𝐽𝑢2 𝑢 4𝐽𝑢1𝑢2 d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 4𝑢2 (13𝑢2)(1𝑢2) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 3𝛬 ( 213𝑢2 21𝑢2 ) d𝑢 = ±𝑐d𝑡 (90) となる。これを積分するのは簡単である。左辺の被積分関数を 213𝑢2 21𝑢2 = ( 11+3𝑢 +113𝑢 ) ( 11+𝑢 +11𝑢 ) のように変形できることはすぐにわかるから、あとはこの各項を項別に積分すればよい。それで正解が得られるし何も間違っていない。ただその結果を元の変数 𝑎 で表すと、対数 ln の引数に根号を含む分数式が現れたりして、ごちゃごちゃしたわけのわからない形になる。そこで、見やすくするために【4‐1】と似たような流れで積分を行ってみたい。ここで積分の公式 d𝑥1𝑥2 = { artanh𝑥+𝐶 (|𝑥|<1) arcoth𝑥+𝐶 = artanh1𝑥+𝐶 (|𝑥|>1) 𝐶は積分定数)(91) を使って(90)式を積分すると、 0𝑢<13のとき 3𝛬 (23artanh3𝑢2artanh𝑢) = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) 1𝛬 (2artanh3𝑢23artanh𝑢) = ±𝑐𝑡 ± 1𝑐𝛬 (2artanh3𝑢23artanh𝑢) = 𝑡 13<𝑢<1のとき 3𝛬 ( 23artanh13𝑢 2artanh𝑢 ) = ±𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) 1𝛬 ( 2artanh13𝑢 23artanh𝑢 ) = ±𝑐𝑡 ± 1𝑐𝛬 ( 2artanh13𝑢 23artanh𝑢 ) = 𝑡 となる。 𝑢 は1以上にはならない。 𝑢 を元に戻せば 𝑡= { ± 1𝑐𝛬 ( 2artanh3𝑎2𝐽+𝑎 23artanh𝑎2𝐽+𝑎 ) (0𝑎<𝐽) ± 1𝑐𝛬 ( 2artanh2𝐽+𝑎3𝑎 23artanh𝑎2𝐽+𝑎 ) (𝐽<𝑎) (92) である。とりあえずこれで解の表式は求まった。さて、この形のままでも構わないのだが、 artanh の中に根号があるのはあまり格好良くないし、解の挙動を把握するのが面倒である。もうちょっと見やすい形に変形してみよう。

双曲線関数の最も基本的な関係式の一つである cosh2𝜓sinh2𝜓=1 を使うと cosh2𝜓 = cosh2𝜓 cosh2𝜓sinh2𝜓 = 1 1sinh2𝜓cosh2𝜓 = 11tanh2𝜓 が得られるので、これを使うと cosh の2倍角の公式から cosh2𝜓 = 2cosh2𝜓1 = 21tanh2𝜓1 = 1+tanh2𝜓1tanh2𝜓 (93) が得られる。(93)式の 𝜓 に具体的な表式を代入すると、以下ではいずれも 𝜓 ≧ 0 であることに注意して変形すれば、 𝜓=artanh3𝑎2𝐽+𝑎 のとき cosh (2artanh3𝑎2𝐽+𝑎) = 1+3𝑎2𝐽+𝑎 13𝑎2𝐽+𝑎 = 4𝑎+2𝐽2𝑎+2𝐽 =2𝑎+𝐽𝑎+𝐽 2artanh3𝑎2𝐽+𝑎 = arcosh2𝑎+𝐽𝑎+𝐽 𝜓=artanh2𝐽+𝑎3𝑎 のとき cosh (2artanh2𝐽+𝑎3𝑎) = 1+2𝐽+𝑎3𝑎 12𝐽+𝑎3𝑎 = 4𝑎+2𝐽2𝑎2𝐽 =2𝑎+𝐽𝑎𝐽 2artanh2𝐽+𝑎3𝑎 = arcosh2𝑎+𝐽𝑎𝐽 𝜓=artanh𝑎2𝐽+𝑎のとき cosh(2artanh𝑎2𝐽+𝑎) = 1+𝑎2𝐽+𝑎 1𝑎2𝐽+𝑎 = 2𝑎+2𝐽2𝐽 =𝑎+𝐽𝐽 2artanh𝑎2𝐽+𝑎 = arcosh𝑎+𝐽𝐽 となる。これらを(92)式に代入すれば、解は 𝑡= { ± 1𝑐𝛬 ( arcosh2𝑎+𝐽𝑎+𝐽 3arcosh𝑎+𝐽𝐽 ) (0𝑎<𝐽) ± 1𝑐𝛬 ( arcosh2𝑎+𝐽𝑎𝐽 3arcosh𝑎+𝐽𝐽 ) (𝐽<𝑎) したがって 𝑡= ± 1𝑐𝛬 ( arcosh2𝑎+𝐽|𝑎𝐽| 3arcosh𝑎+𝐽𝐽 ) (94) ただし𝐽 =3𝐾𝑚2𝑘 =3𝐾𝑚2𝛬3 =𝑘𝛬 のように書くことができ、だいぶマシな形になった。しかし逆に 𝑎 を 𝑡 の初等関数で書くことはできないだろう。

この解には物理的には4つの解が含まれている。複号が+の解の 0 ≦ 𝑎 < 𝐽 の範囲は、時刻 𝑡 = 0 に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、無限の未来に 𝑎 = 𝐽 になる宇宙である。複号が−の解の 0 ≦ 𝑎 < 𝐽 の範囲はその時間反転である。複号が+の解の 𝐽 < 𝑎 の範囲は、無限の過去に 𝑎 → ∞ だったものが減速収縮し、無限の未来に 𝑎 = 𝐽 になる宇宙である。複号が−の解の 𝐽 < 𝑎 の範囲はその時間反転である。

それにしても、 9𝛬𝐾𝑚² = 4𝑘³ などという(74)式の関係式が偶然にもぴったり成り立つなんてことはまず起こらないだろう、数学的にはあり得るかもしれないが物理的には特に考えなくてもよさそうである。……と思うかもしれないが、ルメートル先生の1927年の論文 “Un Univers homogène de masse constante et de rayon croissant, rendant compte de la vitesse radiale des nébuleuses extra‐galactiques” では、この関係式の下で解を求めている。それも「この場合なら解析的に積分できるから」みたいなしょうもない理由ではなく、(現代の知識とは合わないが当時としては)きちんとした物理的な根拠に基づいて、この宇宙ではこの関係式が(少なくとも近似的には)成り立たねばならないと論じている。その論文の須藤靖先生による日本語訳は須藤靖 編「20世紀科学論文集 現代宇宙論の誕生」(岩波書店)に収録されているので興味があれば読んでみるとよい。ハッブル先生の論文より先にハッブル・ルメートルの法則(旧称「ハッブルの法則」)を示しハッブル定数の値を求めていたことで21世紀に入ってから話題になった論文である。

ところで(94)式では 𝑎 は 𝐽 以外のすべての非負の値を取り得るが、有限の時刻に 𝑎 = 𝐽 になることがない。では今の関係式の下で初期条件を 𝑎 = 𝐽 としたらフリードマン方程式の解がないのかといえば、そんなことはなくて、その場合は恒等的に 𝑎 = 𝐽 となる定数関数が解になる。それは第2章で出てきた「アインシュタインの静止宇宙」に他ならない。ではなぜ今の計算でその解が出てこなかったのかわかるだろうか。この章では最初から定数関数を除外しているから、というのはそのとおりだが、式変形のどの段階で除外されたのかという話である。わかる人は良いが、わからない人のために説明しておこう。この節の最初の方で(44)式の下で「両辺は恒等的に0でないから」という断り書きを付けて右辺の表式で両辺を割っているところがある。 𝑎 が定数関数だった場合は、そこは「両辺は恒等的に0」になるから、0で割ることになってしまってそれ以降の式変形が意味を持たなくなるのだ。その時点で定数関数である可能性が捨てられている。

【5】 それ以外のとき

「それ以外」とは、 𝛬 も 𝑘 も0でなく、 9𝛬𝐾𝑚² ≠ 4𝑘³ のときである。このときは初等的に積分することはできない(できる場合もあるかもしれないが私は知らない)ので、近似的な話にとどめておく。

今の場合のフリードマン方程式より、 𝑎˙2 =𝐾𝑚𝑎𝑘+𝛬3𝑎2 (43)式 である。ここで 𝑓(𝑎) =𝐾𝑚𝑎+𝛬3𝑎2 と置くと(43)式 𝑎˙2=𝑓(𝑎)𝑘 (95) となる。(95)式の左辺は2乗だから0以上なので、右辺も0以上でなければならない。したがって 𝑎 は 𝑓(𝑎) ≧ 𝑘 を満たす範囲のみを動くことができる。 𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係を調べるために 𝑓(𝑎) の1〜2階微分を計算すると次のようになる。 𝑓(𝑎) =d𝑓(𝑎)d𝑎 = 𝐾𝑚𝑎2 +2𝛬3𝑎 𝑓(𝑎) = d2𝑓(𝑎)d𝑎2 = 2𝐾𝑚𝑎3 +2𝛬3 ここからさらに 𝛬 の符号によって場合分けをする。

【5‐1】 それ以外で 𝛬 < 0 のとき

𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係は図1のようになる。 𝑓(𝑎) は 𝑎 > 0 において単調減少であり、上限や下限はなくすべての実数をとる。

𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係を表すグラフ。
図1. 𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係

𝑘 の値が何であっても、 𝑎 が取りうる値に制限が生じる。例えば 𝑘 が図1に描いたところにあれば、 𝑎 は図1の 𝑎𝑆 より大きい値をとることができない。つまり 𝑓(𝑎𝑆) = 𝑘, 𝑎𝑆 > 0 とすれば解が取り得る範囲は 0 ≦ 𝑎 ≦ 𝑎𝑆 である。

𝑎 ≈ 0 の辺りでは(43)式の右辺は第1項が他を圧倒するから、第1項以外を無視すれば 𝑎˙2𝐾𝑚𝑎 のようになる。これは【1】のアインシュタイン・ドジッター宇宙と同じような状況だから、そのときの解である(46)式を流用して近似的に 𝑎 𝐾𝑚3 (±32𝑐𝑡)23 (96) とすることができる。ただし時間座標 𝑡 は 𝑡 = 0 のときに 𝑎 = 0 になるように取ってある。これは 𝑎 = 0 から始まる減速膨張宇宙または 𝑎 = 0 で終わる加速収縮宇宙である。

𝑎 ≈ 𝑎𝑆 の辺りでは 𝑓(𝑎) を1次までのテーラー展開で近似すると 𝑓(𝑎) 𝑓(𝑎𝑆)+ 𝑓(𝑎𝑆) (𝑎𝑎𝑆) = 𝑘+ 𝑓(𝑎𝑆) (𝑎𝑎𝑆) であるからこれを(95)式に代入すると 𝑎˙2 𝑓(𝑎𝑆) (𝑎𝑎𝑆) 𝑎˙ ± 𝑓(𝑎𝑆) (𝑎𝑎𝑆) 1𝑐d𝑎d𝑡 ± 𝑓(𝑎𝑆) 𝑎+𝑎𝑆 となり、両辺は恒等的に0でないから d𝑎𝑎+𝑎𝑆 ±𝑓(𝑎𝑆)𝑐d𝑡 d𝑎𝑎+𝑎𝑆 ±𝑓(𝑎𝑆)𝑐d𝑡 2𝑎+𝑎𝑆 ±𝑓(𝑎𝑆)𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) 4(𝑎+𝑎𝑆) 𝑓(𝑎𝑆) (𝑐𝑡)2 𝑎 𝑎𝑆+ 14𝑓(𝑎𝑆) (𝑐𝑡)2 (97) となる。この式が表す曲線は (𝑡, 𝑎) = (0, 𝑎𝑆) を頂点(最大値)とする放物線である。これは極大値 𝑎 = 𝑎𝑆 になる時刻を境に減速膨張から加速収縮に転じる宇宙である。(欲張って 𝑓(𝑎) を2次までのテーラー展開で近似して同じように計算すれば、放物線だったところが懸垂線 (𝑘 > 0) またはサインカーブ (𝑘 < 0) になるけれども、しょせん近似なので面倒なだけであまり得るものはないであろう。)

𝑎 ≈ 0 と 𝑎 ≈ 𝑎𝑆 の間では、 𝑎˙ が0を超えて符号を変える機会がないからずっと膨張またはずっと収縮であり、 𝑎 ≈ 0 における近似解と 𝑎 ≈ 𝑎𝑆 における近似解を滑らかにつないだようなものになるはずだ(その際に時間座標 𝑡 の原点を適切に設定しなおす必要がある)。したがってこの解は、有限の時刻に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、最大値 𝑎 = 𝑎𝑆 になったときに加速収縮に転じ、有限の時刻に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。

𝑎 の最大値 𝑎𝑆 は 𝑓(𝑎) = 𝑘 の正の解だから 0<𝑘のとき: 𝑎𝑆= 2𝑘𝛬 sinh { 13 arsinh ( 3𝐾𝑚2𝑘 𝛬𝑘 ) } 9𝛬𝐾𝑚243 <𝑘<0 のとき: 𝑎𝑆= 2𝑘𝛬 cosh { 13 arcosh ( 3𝐾𝑚2𝑘𝛬𝑘 ) } 𝑘<9𝛬𝐾𝑚243 のとき: 𝑎𝑆= 2𝑘𝛬 cos { 13 arccos ( 3𝐾𝑚2𝑘𝛬𝑘 ) } である。ここで【4‐1】【3‐1】の場合も含めて 9𝛬𝐾𝑚243𝑘 のときは 𝑎 の最大値を 𝑎𝑆= 3𝐾𝑚2𝛬+ 9𝐾𝑚24𝛬2 +𝑘3𝛬3 3 + 3𝐾𝑚2𝛬 9𝐾𝑚24𝛬2 +𝑘3𝛬3 3 という共通の表式で書くこともできる。いや、 𝑘<9𝛬𝐾𝑚243 のときもそのように書いて間違いとは言えないが、そのときは∛の中身が虚数になるから3つある3乗根のどれを指しているかわからなくなるから避けたほうが無難だろう。

フリードマン先生の1922年の論文 “Über die Krümmung des Raumes” (を樽家篤史先生が日本語に訳したもの。須藤靖 編「20世紀科学論文集 現代宇宙論の誕生」(岩波書店)に収録。)では、この解で表される正曲率 (𝑘 > 0) の宇宙を「periodische Welt (周期世界)」と呼んでいる。ただし、数学的には無限に繰り返される周期解になるようだが、物理的にはスケール因子が0になる瞬間は特異点となりその先に解を延ばせないので、この解は有限の寿命を持った宇宙である。

【5‐2】 それ以外で 𝛬 > 0 のとき

𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係は図2のようになる。 𝑓(𝑎) はスケール因子がある値 𝑎 = 𝑎𝐿 のときに最小値 𝑓(𝑎𝐿) をとる。 𝑓(𝑎) は 0 < 𝑎 < 𝑎𝐿 において減少し 𝑎𝐿 < 𝑎 において増加し、どちらの区間でも上限はなく 𝑓(𝑎𝐿) より大きいすべての実数をとる。 𝑎𝐿 に関する具体的な表式は 𝑎𝐿 =3𝐾𝑚2𝛬3 , 𝑓(𝑎𝐿) =9𝛬𝐾𝑚243 , 𝑓′(𝑎𝐿) = 0 , 𝑓″(𝑎𝐿) = 2𝛬 である。

𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係を表すグラフ。
図2. 𝑎 と 𝑓(𝑎) の関係

今度は 𝑘 の値に応じて解の定性的な挙動が変わり、3通りの解が考えられる。 𝑘 > 𝑓(𝑎𝐿) ならば、 𝑎 が取りうる値に制限が生じる。例えば 𝑘 が図2に描いたところにあれば、 𝑎 は図2の 𝑎𝑆 と 𝑎𝐵 の間の値をとることができない。つまり 𝑓(𝑎𝑆) = 𝑓(𝑎𝐵) = 𝑘, 0 < 𝑎𝑆 < 𝑎𝐵 とすれば解がとりうる範囲は 0 ≦ 𝑎 ≦ 𝑎𝑆 および 𝑎𝐵 ≦ 𝑎 である。 𝑘 < 𝑓(𝑎𝐿) ならば、 𝑎 は0以上のすべての値をとることができる。なお 𝑘 = 𝑓(𝑎𝐿) となるのは【4‐2】の場合であるからすでに解は求まっており、今の話の対象外である。

① 𝑘 > 𝑓(𝑎𝐿) の場合で 0 ≦ 𝑎 ≦ 𝑎𝑆 となる解

近似の考え方は【5‐1】と同じである。これは有限の時刻に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、最大値 𝑎=𝑎𝑆= 2𝑘𝛬 sin { 13 arcsin ( 3𝐾𝑚2𝑘𝛬𝑘 ) } になったときに加速収縮に転じ、有限の時刻に 𝑎 = 0 になって終わる宇宙である。フリードマン論文(樽家訳)ではこの解で表される宇宙も「periodische Welt (周期世界)」に分類している。

② 𝑘 > 𝑓(𝑎𝐿) の場合で 𝑎𝐵 ≦ 𝑎 となる解

𝑎 ≈ 𝑎𝐵 の辺りでは 𝑓(𝑎) を1次までのテーラー展開で近似すると 𝑓(𝑎) 𝑓(𝑎𝐵)+ 𝑓(𝑎𝐵) (𝑎𝑎𝐵) = 𝑘+ 𝑓(𝑎𝐵) (𝑎𝑎𝐵) であるからこれを(95)式に代入すると 𝑎˙2 𝑓(𝑎𝐵) (𝑎𝑎𝐵) 𝑎˙ ± 𝑓(𝑎𝐵) (𝑎𝑎𝐵) 1𝑐d𝑎d𝑡 ± 𝑓(𝑎𝐵) 𝑎𝑎𝐵 となり、両辺は恒等的に0でないから d𝑎𝑎𝑎𝐵 ±𝑓(𝑎𝐵)𝑐d𝑡 d𝑎𝑎𝑎𝐵 ±𝑓(𝑎𝐵)𝑐d𝑡 2𝑎𝑎𝐵 ±𝑓(𝑎𝐵)𝑐𝑡 (積分定数を0とした。) 4(𝑎𝑎𝐵) 𝑓(𝑎𝐵) (𝑐𝑡)2 𝑎 𝑎𝐵+ 14𝑓(𝑎𝐵) (𝑐𝑡)2 となる。この式が表す曲線は (𝑡, 𝑎) = (0, 𝑎𝐵) を頂点(最小値)とする放物線である。これは極小値 𝑎 = 𝑎𝐵 になる時刻を境に減速収縮から加速膨張に転じる宇宙である。(欲張って 𝑓(𝑎) を2次までのテーラー展開で近似して同じように計算すれば、放物線だったところが懸垂線になるけれども、しょせん近似なので面倒なだけであまり得るものはないであろう。)

𝑎 → ∞ の辺りでは(43)式の右辺は第3項が他を圧倒するから、第3項以外を無視すれば 𝑎˙2𝛬3𝑎2 のようになる。これは別の記事「真空の宇宙に対するフリードマン方程式を解く」のドジッター宇宙と同じような状況だから、そのときの解を流用して近似的に 𝑎exp(±𝛬3𝑐𝑡) (98) とすることができる。ただし時間座標 𝑡 は 𝑡 = 0 のときに 𝑎 = 1 になるように取ってある。これは無限の未来に 𝑎 → ∞ になる加速膨張宇宙または無限の過去に 𝑎 → ∞ だった減速収縮宇宙である。

𝑎 ≈ 𝑎𝐵 と 𝑎 → ∞ の間では、 𝑎˙ が0を超えて符号を変える機会がないからずっと膨張またはずっと収縮であり、 𝑎 ≈ 𝑎𝐵 における近似解と 𝑎 → ∞ における近似解を滑らかにつないだようなものになるはずだ(その際に時間座標 𝑡 の原点を適切に設定しなおす必要がある)。したがってこの解は、無限の過去に 𝑎 → ∞ だったものが減速収縮し、最小値 𝑎=𝑎𝐵= 2𝑘𝛬 cos { 13 arccos ( 3𝐾𝑚2𝑘𝛬𝑘 ) } になったときに加速膨張に転じ、無限の未来に 𝑎 → ∞ になる宇宙である。

フリードマン論文(樽家訳)では、この解で表される宇宙のうち最小値 𝑎 = 𝑎𝐵 となる時刻以降を「monotone Welt zweiter Art (第2種の単調な世界)」と呼んでいる。

③ 𝑘 < 𝑓(𝑎𝐿) の場合の解 (0 ≦ 𝑎)

𝑎 ≈ 0 の辺りでは近似の考え方は【5‐1】と同じであり、 𝑎 𝐾𝑚3 (±32𝑐𝑡)23 (96)式 とすることができる。ただし時間座標 𝑡 は 𝑡 = 0 のときに 𝑎 = 0 になるように取ってある。これは 𝑎 = 0 から始まる減速膨張宇宙または 𝑎 = 0 で終わる加速収縮宇宙である。

𝑎 ≈ 𝑎𝐿 の辺りでは 𝑓(𝑎) を2次までのテーラー展開で近似すると 𝑓(𝑎) 𝑓(𝑎𝐿)+ 𝑓(𝑎𝐿) (𝑎𝑎𝐿) + 12𝑓(𝑎𝐿) (𝑎𝑎𝐿)2 = 𝑓(𝑎𝐿)+ 12𝑓(𝑎𝐿) (𝑎𝑎𝐿)2 であるからこれを(95)式に代入すると 𝑎˙2 𝑓(𝑎𝐿)+ 12𝑓(𝑎𝐿) (𝑎𝑎𝐿)2 𝑘 𝑎˙ ± 𝑓(𝑎𝐿) 𝑘+ 12𝑓(𝑎𝐿) (𝑎𝑎𝐿)2 1𝑐d𝑎d𝑡 ± 𝑓(𝑎𝐿)𝑘 1+ 𝑓(𝑎𝐿) 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} (𝑎𝑎𝐿)2 となり、両辺は恒等的に0でないから d𝑎 𝑓(𝑎𝐿)𝑘 1+ 𝑓(𝑎𝐿) 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} (𝑎𝑎𝐿)2 ±𝑐d𝑡 d𝑎 𝑓(𝑎𝐿)𝑘 1+ 𝑓(𝑎𝐿) 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} (𝑎𝑎𝐿)2 ±𝑐d𝑡 2𝑓(𝑎𝐿) arsinh [ 𝑓(𝑎𝐿) 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} (𝑎𝑎𝐿) ] ±𝑐𝑡(積分定数を0とした。) arsinh [ 𝑓(𝑎𝐿) 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} (𝑎𝑎𝐿) ] ± 𝑓(𝑎𝐿)2 𝑐𝑡 𝑓(𝑎𝐿) 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} (𝑎𝑎𝐿) sinh { ± 𝑓(𝑎𝐿)2 𝑐𝑡 } 𝑎 𝑎𝐿+ 2{𝑓(𝑎𝐿)𝑘} 𝑓(𝑎𝐿) sinh { ± 𝑓(𝑎𝐿)2 𝑐𝑡 } (99) となる。これは 𝑎 = 𝑎𝐿 になる時刻を境に減速膨張から加速膨張に転じる宇宙または 𝑎 = 𝑎𝐿 になる時刻を境に減速収縮から加速収縮に転じる宇宙である。

𝑎 → ∞ の辺りでは近似の考え方はと同じであり、 𝑎exp(±𝛬3𝑐𝑡) (98)式 とすることができる。ただし時間座標 𝑡 は 𝑡 = 0 のときに 𝑎 = 1 になるように取ってある。これは無限の未来に 𝑎 → ∞ になる加速膨張宇宙または無限の過去に 𝑎 → ∞ だった減速収縮宇宙である。

𝑎 ≈ 0 と 𝑎 ≈ 𝑎𝐿 と 𝑎 → ∞ の間では、 𝑎˙ が0を超えて符号を変える機会がないからずっと膨張またはずっと収縮であり、 𝑎 ≈ 0 における近似解と 𝑎 ≈ 𝑎𝐿 における近似解と 𝑎 → ∞ における近似解を滑らかにつないだようなものになるはずだ(その際に時間座標 𝑡 の原点を適切に設定しなおす必要がある)。したがってこの解のうち膨張解は、有限の時刻に 𝑎 = 0 から始まって減速膨張し、 𝑎=𝑎𝐿 =3𝐾𝑚2𝛬3 になったときに加速膨張に転じ、無限の未来に 𝑎 → ∞ になる宇宙である。収縮解はその時間反転である。フリードマン論文(樽家訳)では、この解で表される正曲率 (𝑘 > 0) の膨張宇宙を「monotone Welt erster Art (第1種の単調な世界)」と呼んでいる。


解のまとめ

この節の結果をまとめると、ダスト流体で満たされた宇宙に対するフリードマン方程式 𝑎˙2𝑎2= 𝐾𝑚𝑎3 𝑘𝑎2 +𝛬3 (𝐾𝑚>0) (42)式 の解は次のようになる。

𝑘 = 0 のとき、すなわち3次元空間部分が平坦なユークリッド空間であるときは、 𝑎 を 𝑡 の初等関数で表すことができて、解は 𝛬>0,𝑘=0 のとき: 𝑎= 3𝐾𝑚𝛬3 sinh23 (±123𝛬𝑐𝑡) 𝛬=0,𝑘=0 のとき: 𝑎= 𝐾𝑚3 (±32𝑐𝑡)23 𝛬<0,𝑘=0 のとき: 𝑎= 3𝐾𝑚𝛬3 cos23 (123𝛬𝑐𝑡) である。

𝑘 ≠ 0 のとき、すなわち3次元空間部分が曲がっているときは、 𝑎 を 𝑡 の初等関数で表すことはできない。しかし 𝛬 と 𝑘 がある特別な条件を満たせば、 𝑡 を 𝑎 の初等関数で表すことや便利な媒介変数表示をすることができる。1個目の特別な条件とは 𝛬 = 0 であり、このとき解は 𝛬=0,𝑘>0 のとき: 𝑡= ±1𝑐𝑘 ( 𝑘𝑎2+𝐾𝑚𝑎𝑘 +𝐾𝑚2𝑘 arccos2𝑘𝑎𝐾𝑚𝐾𝑚 ) 𝛬=0,𝑘<0 のとき: 𝑡= ±1𝑐𝑘 ( 𝑘𝑎2+𝐾𝑚𝑎 𝑘 +𝐾𝑚2𝑘 arcosh 2𝑘𝑎+𝐾𝑚𝐾𝑚 ) であるが、見た目にわかりにくいので媒介変数表示をすれば 𝛬=0,𝑘>0 のとき: { 𝑡= 𝐾𝑚2𝑐𝑘32 (sin𝑢+𝑢) 𝑎= 𝐾𝑚2𝑘(cos𝑢+1) (ただし𝜋𝑢𝜋 𝛬=0,𝑘<0 のとき: { 𝑡= 𝐾𝑚 2𝑐(𝑘)32 (sinh𝑢𝑢) 𝑎= 𝐾𝑚2𝑘 (cosh𝑢1) (ただし<𝑢< と書くこともできる。2個目の特別な条件とは 9𝛬𝐾𝑚² = 4𝑘³ であり、このとき解は 9𝛬𝐾𝑚2=4𝑘3>0 のとき: 𝑡= ± 1𝑐𝛬 ( 3arcosh𝑎+𝐽𝐽 +arcosh2𝑎+𝐽|𝑎𝐽| ) 9𝛬𝐾𝑚2=4𝑘3<0 のとき: 𝑡= ± 1𝑐𝛬 ( 3arccos𝑎+𝐽𝐽 arccos2𝑎+𝐽𝑎𝐽 ) ただし 𝐽 =3𝐾𝑚2𝑘 =3𝐾𝑚2𝛬3 , |𝐽|=𝑘𝛬 である。

初等関数で表される解は以上だ。

⛭ 数式の表示設定 (S)